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綿貫裕介・二宮真琴 混合ダブルス出場の秘話【ウィンブルドン/全英】

7/10(月) 18:24配信

TENNIS.JP

7月8日 ウィンブルドン DAY 06

女子ダブルスとミックスダブルスで日本選手達が頑張っている。

【〇二宮真琴/ボラコバ(チェコ) 6-4,7-6(4) ●ロブソン/Rae(英国)】
「芝でのロブソンの切れの良い左利きのサーブに手こずり、リターンが難しかった。
でも気持ちでは負けないよう、最後まで攻めた。
タイブレークではコートの中に、まずは返球を心がけ集中した。」

「第二週に残ることが目標。
ミドルサンデーを経験したかったので嬉しい。」と二宮真琴。

【○穂積絵莉/Raja(インド) 5-7,6-4,6-2 ●ゴンサレス(メキシコ)/パラサントンハ(スペイン)】
杉山芙沙子コーチ(杉山愛の母)に薦められ、「しぶしぶミックスダブルスの出場を決めた」と穂積絵莉。

なかなか組む相手が見つからなかったが、偶然決まったと言う。
「ミックスは思った以上に楽しかった」と、フルセット勝ち。

綿貫裕介初出場。混合ダブルス出場の秘話

「入ったから、準備して!」
大会スタッフからそう声を掛けられた時、綿貫裕介は「入ったって、なんのこと? 二宮の試合スケジュールが変わったのかな?」と思ったという。

ウィンブルドンに綿貫は、女子ダブルス本戦に出る二宮真琴のコーチとして訪れていた。
それでも「ダメ元で」と、二人でエントリーするだけしていたミックスダブルス。
しかしサインアップした時点で、二宮/綿貫組は本戦エントリーの10番アウト。
それどころか試合当日の朝になっても、まだ8番アウトだった。
綿貫が本戦出場を告げられても、「何のこと?」と思ったのも無理からぬことだった。

公式戦に出られると分かってからは、何から何までもが急ピッチで進んでいく。
「慌ててウォームアップして」、試合のコートに立ったのは、告知から僅か2時間後のことだった。
その初戦で綿貫は、「果たして自分がどれくらい出来るのか、どれだけ置いていかれるか分からず、不安だらけだった」と打ち明ける。

そんな“選手”綿貫を牽引するかのような動きを見せたのが、普段は指導される立場にいる二宮だった。
二宮の闘志溢れるプレーに引き上げられるように、試合が進むにつれ綿貫も調子を上げ、ガブリロワ/ツルスノフ組相手に4-6,6-3,6-4で逆転勝利。
細い枝にしがみつくようにして得たウィンブルドン初出場には、初勝利という大きな大きな果実がついてきた。

翌日の2回戦では、大会第4シードのミルザ/ドディグ組との対戦という、これもまた大きな一戦が二人を待つ。
しかも試合進行が遅れたために、当初予定されていた16番コートから、より大きな18番コートへと戦いの舞台は移された。
「大きなコートだ! しかも“チャレンジ(ホークアイシステム)”まである!」
思わぬ僥倖に喜ぶ二宮は、「やっぱり彼(綿貫)は“持っている”な……」と、強運のパートナーの存在を頼もしく思ったという。

その喜びをコート上で体現するかのように、二人は声を掛け合い、笑顔を交わし、第1セットは第4シードと五角以上の戦いを展開する。
ドディグが前衛だろうが、体ごとボールに飛び込むように、強打をストレートに打ち込む二宮。
その二宮の勇気をフォローするように、軽快な動きでコートカバーをする綿貫。
全日本選手権3連覇を誇るペアは、自分たちの力が世界の舞台でも通用することを証明し、6-5で二宮のサービスゲームを迎えていた。

しかしこの場面で、二宮は2本のダブルフォルトをおかす。
「攻めていったけれど、入れておけば何かが起きたかもしれない……」
悔いても悔やみきれない……といった表情で、試合後に二宮は勝負の分岐点を振り返った。

結果的に、試合には6-7,2-6で敗れた。

それでも二人が……特に初出場の綿貫が、今回の経験で得たものは計り知れないほどに大きい。
「選手としてロッカールームに入り、トップ選手たちはこんな過ごし方をしているのか…とか、こんなに凄い身体をしているのかというの見ることが出来た」
というのも、この舞台に選手として立たなければ、知り得なかったリアルな現実。

同時に、コートに立ち世界のトップ選手と戦った経験は、コーチとしての彼にも新たな視座と確信を与えた。
「日本人は、外人選手に比べて前で動けるところが大きな武器。
全豪の加藤・穂積ペアも前衛でチョコチョコ動いたし、青山さんも前での動きが凄い。
『パワーのない選手は、こうやって勝つんだよ』という道標が出来ていると思います」。

選手としての、実り多き綿貫のウィンブルドンは終わった。
だが彼にはまだ、女子ダブルスで3回戦に勝ち進んだ二宮の、コーチとしての大仕事が残っている。

<<混合ダブルス2回戦>>
穂積絵莉/Raja(IND) vs 11]ネスター(カナダ)/クレパーチ(スロベニア)
〇ドディグ(クロアチア)/ミルザ(インド) 76(5) 62 ●綿貫裕介/二宮真琴

<<混合ダブルス1回戦>>
〇綿貫裕介/二宮真琴(橋本総業) 46 63 64 ●トゥルスノフ(ロシア)/ガブリロワ(豪州)
〇穂積絵莉/Raja(IND) 57 64 62 ●ゴンサレス(MEX)/パラサントンハ(ESP)
混合ダブルスドロー

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最終更新:7/10(月) 22:00
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