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【映像】蔓延する金の違法採掘 コートジボワール農業崩壊の危機

7/10(月) 17:59配信

AP通信

トンゴン、コートジボワール、5月3日 (AP)― 政府の取り締まりにもかかわらず、西アフリカのコートジボワール北部では、広範囲にわたって違法な金の採掘が行われている。気候変動が原因といわれる降水量不足に加え、違法な金の採掘に鞍替えするケースが増え、基幹産業のカカオ生産地での農業放棄に拍車をかけている。

北の隣国ブルキナファソの国境から僅か50キロのところにある国内最大のトンゴン金鉱山では、鉱山労働者が岩の層に掘られた深さ20メートルの坑道から金を含む岩を掘り出し、地上でそれを粉砕する。肉体労働に依存した、時には非常に危険な作業だ。

鉱山労働者は、最新の金発見の噂を頼りに、金鉱から金鉱を渡り歩く。違法採掘は、近隣諸国との無秩序な越境や野放しの汚染、暴力の扇動などの深刻な原因となっている。ブルキナファソから来たというハメド・オードラゴさんは、噂についてこう説明する。「金鉱から金鉱を渡り歩いていれば、新しい鉱山の噂を耳にします。そこが次の目的地というわけですよ」。

国際資本を誘致したい政府は、長年こういった違法採掘を取り締まってきた。北部バゴウェ州の役人ブーンディアリのジョルジュ・ゴンバディ氏は、数千人規模で違法な金採掘の仕事に転向するため、農業従事者が少なくなったことで、コートジボワールは農業崩壊の危機に直面しているという。

「コートジボワールは世界最大のカカオ輸出国だったが、金の違法採掘がこの国が富を失う原因になっている。農業労働者の大部分が金採掘に転向したため、農業が干上がっている」とゴンバディさんは指摘する。

金の違法採掘は2010年~11年の事実上の内戦前から始まっており、反政府勢力が金鉱がある北部の大部分を支配下に置いていた。違法採掘で国庫が潤わない一方で、鉱山からの無秩序な排水で河川の汚染は進んでいる。

金の取引は買い取り相場が高いところで行われるが、前出のオードラゴさんによると「コートジボワールの1グラム2300円前後に対して、相場が高いブルキナファソでは倍の5700円前後で取引されている」という。

ロンドンとニューヨークの株式市場に上場している英国に本拠を置く金生産大手 ランドゴールド・リソーシズも、コートジボワールで国内最大のトンゴン鉱山を運営している。もちろん、正式に認可された採掘だ。

州と提携して運営されているトンゴン鉱山の操業は、違法採掘とはまったくスケールが違う大規模な露天掘りだ。同鉱山での2016年の金生産は8トンを超え、136億円の利益を上げたといわれる。

同社の幹部は、「彼らは採掘権がない鉱山を違法に占拠しているため、われわれが操業できない。彼らは監督官庁から採掘許可をもらっていないにもかかわらず、違法操業している」と違法採掘を非難。

政府の違法採掘取り締まりも殆ど効果を上げていない。違法鉱山労働者は一時的に隣国の国境を越えて、取り締まりが終われば戻ってまた違法採掘を始める。いたちごっこが繰り返されるだけだ。

(日本語翻訳 アフロ)

最終更新:7/10(月) 17:59
AP通信