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「ザ・ペニンシュラ香港」優雅にぜいたくに満喫し尽くす 香港

7/10(月) 19:10配信

朝日新聞デジタル

【世界美食紀行】

 香港返還20周年にあたる2017年。私も20年ぶりに戻ってきました。香港を象徴するクラシックホテル「ザ・ペニンシュラ香港」へ。私がはじめて香港を訪れたのは、1997年7月1日に香港が中国へ返還される直前のこと。あのころ日本では香港旅行が大ブームになっていて、海外旅行のハウツーを覚えたてでミーハーだった私は、流行に飛びついたのです。

【写真】「ザ・ロビー」の朝食

 綾小路きみまろさん調で言うと「あれから20年」。数えきれないほど香港に来て、ザ・ぺニンシュラ香港へもお茶やレストランを利用しに何度か訪れましたが、宿泊するのは20年ぶり。当時は宿泊費におののいて、もっともスタンダードなカテゴリーの客室をオンナ3人で1室1泊だけ予約し、おずおずとあの有名なロビーを進んだものです。今回は20年ぶりですから奮発してお迎えサービスまで付けちゃった。大人になるのもいいものだ。

 そんなザ・ぺニンシュラ香港には、インハウスゲスト(つまり宿泊客)にならないと気づかないさまざまな特権がありました。まずは、かの有名な正統派英国式の「ザ・ぺニンシュラ クラシックアフタヌーンティー」。コロニアル建築のシンメトリーなデザインが美しい「ザ・ロビー」で提供されるそれは、あまりにも世界に知られすぎ、連日1時間を超える行列ができています。一般的には予約不可とされていますが、じつは宿泊客は予約ができるし、仮にスケジュールが流動的で予約が難しい場合は、都合がつく時間に行けば行列の最前列に入れてもらうことさえ可能です。

 「ザ・ぺニンシュラ スパ」もそう。外部からも予約できますが宿泊客が優先され、リピーターで好きなトリートメントルームがある場合は指定することもできます。ハマム風のスチームルームやジェットバスといったスパ施設が充実しているのはもちろん、このスパのもう一つの魅力は、ビクトリア湾に面して香港島を望むという抜群の立地がもたらす眺望。なんとサウナやリラクゼーションルーム、トリートメントルームから香港の都会的な街並みを一望できるのです。おすすめはきらめく夜景を楽しめる日没後で、20時からはビクトリア湾で毎晩開催される光のショー「シンフォニー・オブ・ライツ」を眺められます。つまり20時にサウナやリラクゼーションルーム、トリートメントルームにいられるようにスケジュールを立てて予約を取るのがポイントです。

 ほかにもビクトリア湾を眺められる客室でルームサービスの朝食を楽しんだり、観光客でにぎわう前の静寂に包まれた「ザ・ロビー」を独り占めしたり。20年前には私の経験が少なすぎて余裕がなく、とてもできなかったあれこれを、今回は取り戻すように満喫しました。ちなみにアフタヌーンティーの予約は20年前にもできたそうで、あのとき何も知らずに行列していた私たちっていったい……。

 そうそう、20年のあいだに私も変わりましたがザ・ペニンシュラ香港も変化していて、ショップ「ザ・ペニンシュラブティック」では名物のスコーンのテイクアウトがありました。宿泊客は予約しておくと、指定した時間に焼きたてをボックスに詰めて客室まで届けてもらえます。また、2013年には改装を終え、クラシックホテルらしい趣はキープしながらも、水回りやデジタル系が最先端なのも便利です。

 こうしてすっかりザ・ペニンシュラ香港を知った気になっていましたが、地元のクラシックホテル好きによると、ザ・ロビーの知られざる名物メニューやら、超常連客ならではのレストランの使い方やら、まだまだ裏技がたくさんあるみたい。もっと経験を重ねてまた宿泊してみたいと思います。今度は20年もあけずに。

(朝日新聞デジタル「&TRAVEL」)

朝日新聞社