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釣り客増へ知恵絞る ツアー誘致や魚種別遊漁券 群馬県内の漁業協同組合

7/10(月) 6:01配信

上毛新聞

 各地でアユ釣りが解禁され、愛好者にとってうれしい季節になった。群馬県内では17の漁業協同組合(漁協)が河川や湖沼といった漁場を管理するが、高齢化などを背景に各漁協の組合員は減少傾向。レジャーの多様化で若者の釣り離れも指摘され、釣り客の呼び込みが課題だ。各漁協は漁場を整備して自然環境そのものを楽しんでもらったり、釣り教室や団体客を取り込んだツアーを誘致したりして釣り客増につなげようと取り組んでいる。

■組合員が減少

 「多様性のある川をつくって、釣り人以外にも魅力を感じてほしい」。両毛(桐生市)の組合長、中島淳志さん(45)は話す。深刻な食害をもたらすカワウの抑制に小型無人機ドローンを用いるなど、全国でも先進的な試みを行う。児童らに放流体験や河川を学ぶ機会を設け、水辺に親しむ事業を考案している。

 冬には氷上ワカサギ釣りを楽しめる赤城大沼(前橋市)。ツアー会社を通じて、雪の上をスノーシューで歩く体験やイチゴ狩りなどを釣りとセットにし、関東近郊の客を呼び込む。組合長の青木泰孝さん(67)は「釣りだけでなく、日常と違う体験をしてほしい」と強調する。

 漁協は放流による魚の増殖や、釣り場環境の保全を目的に組織され、県内では統括団体として1950年に県漁業協同組合連合会(県漁連)が設立された。最盛期には20を超える組合があったとされる。

 出資金を払い、年間30日以上釣りをすることなどが組合員となる条件。ただ、県漁連傘下の組合員数は減少傾向で、2009年度に1万3160人だったが、12年度に9308人、14年度には8868人まで落ち込んだ。

■放流量を調整

 県内17漁協を組合員規模でみると、最大は組合員が5000人を超える利根(沼田市)。管轄する利根川の上流域や、支流を含んだ広大なエリアがその理由で、吾妻(中之条町)や上州(高崎市)も同様に組合員が多い。一方、東毛地域はエリアが細分化され、各漁協は比較的組合員が少ない。

 上州は子ども向けの釣り体験会を開いたり、渓流釣りの遊漁券の区分を見直したりしている。これまでヤマメやイワナ、アユが釣れる共通の全漁券を販売していたが、釣り客の好みを把握しようと3年ほど前にヤマメとイワナに絞った券を新設した。売り上げは年々増え、人気が高いことが分かったという。組合長の関伸一さん(82)は「釣り人の好みが分かれば、魚種別に放流量を調整するなど効果的な取り組みができる」と手応えを説明している。(落合琢磨)

◎釣り経験 群馬県は全国最下位

 総務省統計局が社会生活基本調査(2011年)をベースに昨年11月公表した都道府県別の「つり人が多い!? ランキング」によると、過去1年間で釣りを一度でもしたことがある人の割合が群馬は6.1%と、福島県と並んで最下位だった。

 調査は10歳以上が対象。トップは鹿児島の12.7%。同じ「海なし県」で近隣の栃木は7.8%で30位、長野は6.9%で39位だった。

 県漁業協同組合連合会は「意外な結果。群馬は漁場が豊富で、渓流釣りも盛んな地域。各漁協も釣り人が増えるよう努力しているので今後に期待したい」と受け止めた。

最終更新:7/10(月) 7:14
上毛新聞