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政府が目指す「最低賃金1000円」、実現は何年先に?

7/10(月) 10:33配信

ニュースイッチ

早くても2023年、人手不足は前倒しを促すか

 政府が、9月上旬―中旬に召集する方向で調整している秋の臨時国会では、3月に策定した「働き方改革実行計画」に基づき関連法改革案の成立を目指す。実行計画では「最低賃金時給1000円」を目指し、毎年3%程度引き上げる方針を明記しているが、成立しても時給1000円に到達するのは早くても2023年となる。最低賃金の「目安」を示す厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会(仁田道夫会長=東京大学名誉教授)の判断が注目される。

 17年度の最低賃金引き上げに向けて、議論がスタートした。最賃審の「目安に関する小委員会」(仁田道夫委員長)は25日をめどに答申をまとめる。

 最低賃金は国が法的強制力を持って賃金の最低額を決め、最低賃金法に基づき使用者(事業主)はその額以上の賃金を払わねばならない制度。パートタイム労働者など非正規社員を含む全ての労働者に適用される。

 16年度の上げ幅は過去最高の25円で、現在の最低賃金は全国加重平均で時給823円。第2次安倍政権発足後、年10円以上の引き上げが続き、生活保護費との逆転現象は解消しているが、17年度は16年度の上げ幅を上回るかどうかが焦点となる。

 働き方改革の方向性の3%の引き上げならば17年度も25円程度の引き上げとなり、全国加重平均で時給848円となる。ただ「むやみに最低賃金を上げれば非正規労働者の賃金をさらに押し上げ、経営を圧迫する」とする経営者側の意向もある。

 人手不足を背景に、17年春闘での連合加盟組合の非正規労働者の加重平均での賃上げ額は初めて20円を超え、平均時給は952・18円に達した。

 最賃審の労働者代表委員からは「引き上げ額ではなく、最低賃金のあるべき姿を示すべきだ」と抜本的な見直しが必要だとする意見が示された。

 現在の地域別最低賃金最高額は東京都の時給932円、最低は宮崎、沖縄両県の時給714円。「最低賃金時給1000円」の実現にはなお距離があるが、政府の「働き方改革」との整合性の上でも17年度の改定額が焦点となる。

 地域別の最低賃金は最賃審から示される引き上げ額「目安」を参考に8月中に地方最低賃金審議会が金額を決定、10月から効力が発生する。

日刊工業新聞社・八木沢徹

最終更新:7/10(月) 10:33
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