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「捨てるまで1時間はかかる」廃棄物処理先見えず 受け入れ態勢に課題 豪雨被害の福岡県朝倉市

7/10(月) 10:02配信

西日本新聞

 九州豪雨で甚大な被害があった福岡県朝倉市は9日、浸水した家財などの災害ごみや流木、土砂の回収に着手した。集積場所には被災者の車が長蛇の列を作り、市は急きょ対応する職員を増員。市内に3カ所設けた土砂集積所のうち1カ所は初日でいっぱいになった。「想定を上回る被害」(同市)で発生した廃棄物処理の道筋は立たず、用地の確保などが遅れれば、生活再建の足かせになりかねない。

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 この日は豪雨後の初の日曜日ということもあり、被災者の親族や友人たちが家屋の片付けに駆け付ける姿が多く見られた。甘木地区の集積所に流木を運んだ同市の消防団員篠原彰太さん(23)は「朝一番に行ったけれど、帰る時には車の列ができていた。仕方がないだろうが、並ぶのは時間がもったいない」。

 市建設課は流木・土砂の回収開始については「受け入れ態勢に限度がある」として、区長などへの伝達にとどめた。それでも朝倉地区の土砂集積所は1日で埋まり、「今後は私有地も含め各地区で場所を確保できないか相談している」。

 一方、浸水で使えなくなったソファや冷蔵庫などの家財道具やがれきといった「災害ごみ」の回収は市ホームページなどで周知していた。朝倉地区の集積所では受け入れ開始時刻前から車が列を作ったため、予定を2時間早め、午前7時すぎから受け入れを開始。対応する職員も急きょ4人から9人に増員したが、昼前には500メートル近い車列ができた。

 近くの農業、柳原一徳さん(82)は「捨てるまで1時間はかかる。まだ4、5往復は必要なのに」とため息をついた。

 災害ごみは市内3カ所、計38人態勢で職員が分別し燃えるごみや粗大ごみを同県筑前町の焼却処理場に運んだ。職員は「急なことだったので、重機を持っている委託業者や粗大ごみ処理場も日曜は稼働できないということだった。週明けには何とかしたい」(環境課)と話した。

=2017/07/10付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:7/10(月) 10:02
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