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米粉 海外向け「有望」 グルテンなし ハラール対応 技術力で市場開拓 食品メーカー

7/10(月) 7:01配信

日本農業新聞

 米粉や米粉を使った加工品を海外に輸出する取り組みが活発化している。国内の食品関連メーカーが国産米のブランド力や高い製粉技術を生かし、小麦アレルギーに対応したグルテンフリー市場が広がる欧米への販路開拓を進める。国が3月に策定した米粉の用途別基準に対応した製品製造に着手するなど、国産米粉の付加価値を高め、米消費のてこ入れにつなげる。

 小城製粉(鹿児島県薩摩川内市)は、自社ブランド米粉「KOMEKO」の輸出を強める。県内JAなどから仕入れた国産米を使用し、2013年から米粉の輸出に乗り出した。累計3年間で30トン以上を海外に売るまでに成長した。「風味を損なわない製粉技術に優位性がある」と、海外の支持を獲得。国外の主力販売先となるドイツで7月中に子会社を設立し、販路開拓を担う現地職員を雇用する計画。主力市場で評価を高めながら、オーストラリア、ニュージーランドへの輸出も年内に着手する。「将来的には輸出量を数千トン規模に伸ばせる」と同社は展望する。

 調理機メーカー・コスモバイタル(東京都港区)は、グルテン無添加でも、グルテンのような粘りを持つ「機能性米パウダー」を開発。同社は九州研究所に製粉施設を今夏に完成させ、「欧米などグルテンフリー市場への輸出開始を年内に目指す」と明かす。乳化剤や増粘多糖類の代替となり、パンや天ぷら粉など多様な食品への活用が期待できる。

 米粉の加工食品を輸出する動きも出てきた。製麺業者の小林生麺(岐阜市)は米粉麺を米国やイタリア、香港など9カ国に販売する。16年度の輸出量は前年度比2割増の9万5000食(12.3トン)。その8割が米国向けで、「特に米粉100%のラーメンが好調」という。農水省ガイドラインにある「ノングルテン」製品に対応し、パッケージの言語は国ごとに合わせる。アレルギー対応商品に加え、米国内のイスラム教徒も食べられるよう、酒精(エタノール)不使用のハラール対応品の輸出も視野に入れる。

 国内における米粉用米の年間利用量は2万トン台前半で頭打ちが続く。農水省は需要を盛り返すために3月、アミロースの含量別に「パン用」「麺用」「菓子・料理用」三つの用途別基準を策定。併せてグルテンの含有量を欧米基準の20分の1に抑えた製品に「ノングルテン」の表示を呼び掛ける。

 海外はグルテンフリー市場が日本以上に拡大しており、国産米粉の売り先として有望だ。日本貿易振興機構(ジェトロ)は「製粉時の損傷度が低く、きめが細かいなど、製粉技術で他国を上回る日本の米粉は世界でも勝負できる」とみる。(田中秀和)

日本農業新聞

最終更新:7/10(月) 7:01
日本農業新聞