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楽曲を分解することが好き、ビッケブランカ ポップへのこだわり/インタビュー

7/10(月) 20:10配信

MusicVoice

 シンガーソングライターのビッケブランカが7月5日に、1stアルバム『FEARLESS』をリリースする。上質なポップ曲を詰め込んだ極上の作品。遊び心満載なジュークボックスのようなアルバムに仕上がった。小学生の頃から作曲を始めたという、根っからの音楽家で、2012年から活動を開始。2015年8月リリースの2ndミニアルバム『GOOD LUCK』収録曲「ファビュラス」は、愛知県を中心に放送されているラジオ局・ZIP-FMの『Z-POP COUNTDOWN 30』で2週連続1位を獲得。2016年には「Natural Woman」がCMソングにも起用され話題に。同年10月にミニアルバム『Slave of Love』でメジャーデビュー。今作がメジャー初フルアルバムとなる。幼い頃からポップスに触れ、「楽曲を分解することが好きだった」と話す彼に今作の音のこだわりや、メジャーデビューまでの歩みなど話を聞いた。

楽曲は「生まれるべくして生まれたもの」

――アルバム『FEARLESS』を聴いたときに感じたのが、ヒット曲満載のジュークボックスを聞いている感覚でした。

 そんな感じに聞こえたのなら、良かったなと思います。決してジュークボックスのような作品の制作を目指していたわけではないのですが、自分が自然体で作れる楽曲を一つひとつ作り上げて作品の中に詰め込んでいくと、結果として、ポップチューンばかりを集めた作品集になってしまう。

 もともとポップスが好きだったし、幼少の頃から両親の影響もあり、その時期に流行ったポップスを…みんなに愛される音楽を、僕は当たり前のように好きで聴いてきました。いわゆる、音楽が好きになりアングラな方へルーツを掘っていくのではなく、小さい頃からオーバーグラウンドな音楽を好んで聴く傾向があったので、僕の場合そこからの影響が今でも強いのだと思います。

――音楽を作る側になったときも、ポップミュージックへ走るのは当然のことだったと。

 そうです。しかも、昔から楽曲を分解して聴くことが好きでした。

――分解して?

 はい。例えば、楽曲の中で左側のスピーカーから特定の歌声や楽器だけが聞こえれば、右側からもそれとは別の歌声や音が聞こえたりしますよね。しかも、それが何重にも重なったり、急に右から左へ音や歌声が飛び交ったり、特定の位置から音が聞こえたり…そういう音を分解しながら秘密を探るのが好きな子供でした。と言っても、そういうことに興味を持ったのは小学生からで、具体的に宅録などで実験を始めたのは中学生になってからです。

 当時は、そうやっていろんなヒット音楽を聴くことが好きでしたね。今でこそヒット音楽も細分化され、何が今の流行りの音楽なのかが区別しにくくなっていますが、僕が10代の頃は、その当時のメインストリームとなる音楽がわかりやすく耳に届いていた。それを好んで聞き続けていたのも、今に与える影響面では大きかったと思います。

――今は流行りの音楽も細分化されているから、明確に大衆音楽と提示するのは難しくなっています。それでも、流行の音楽にはアンテナを張っていますか?

 今は、自分の音楽に視点を向けることが増えています。昔は、自分が理想として求める楽曲へ到達するまで制作面でも苦労していましたが、今はそれが出来るようになった。だからこそ、もっともっとその質を上げていきたい。そういう意識で自らの音楽制作へ没頭していることの方が、音楽に触れるという面では圧倒的に今は多いと思います。

――ご自身で明確な音楽の理想像が見えているのでしょうか?

 大きく掲げた理想というのは、僕の場合、特にはないです。音楽を創作するというのは、ゼロから形を生み出す作業のこと。僕にとって楽曲とは、どれも「生まれるべくして生まれたもの」という感覚ですね。よく耳にする「今回はモータウン系を狙って作りました」「ちょっとダンサブルな楽曲を求めました」という意識は、僕の中には一切ない。僕が持っている信念は、「生まれるべくして生まれた音楽をしっかり育て上げよう」ということだけです。

――楽曲が生まれるきっかけとなる種は、毎回何かしらあるわけですよね。

 きっかけは毎回ありますね。それをヒュッと掴めば、数時間で完成することもあるし、2カ月要してしまうこともある。そこはまちまちなのですが、どれも生まれるべくして生まれた楽曲だと思うから、それでいいのかなと思っています。

――今回のアルバムは、「生まれるべくして生まれた曲」を集めた作品なのでしょうか?

 もちろんストックはあったのですが、そこから拝借したのは2、3曲程度。せっかく新しい作品を作るのですから、そのときの自分が一番新鮮に思える曲たちを聴いてもらいたいじゃないですか。なので、アルバム制作に向かい合い、自然と生まれた曲たちを形にしていきました。

――その自然体で作った曲が、どれも珠玉のポップチューン。まさに天才肌じゃないですか。

 そう言ってもらえると嬉しいですね。そこって、自分ではコントロールできないこと。昔から聞いてきた音楽の知識や経験の積み重ねで今、こういう音楽を作れる状態になった。きっと、そういうことなのだと思います。実際に、ここに詰め込んだ曲は、今の自分の旬な感覚として、自然に生まれ出た楽曲ばかりですからね。

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最終更新:7/10(月) 20:10
MusicVoice