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福山・鞆地区の保存計画案を答申 重伝建選定へ、市教委に審議会

7/10(月) 22:46配信

山陽新聞デジタル

 歴史的建造物が多く残る広島県福山市鞆町の国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)選定に向け、同市の有識者らでつくる保存審議会は10日、維持・復元対象の建築物や改修への助成基準などを盛り込んだ「保存計画」案を市教委に答申した。計画は重伝建選定の要件。市教委は7月中に計画をまとめ、文化庁と申請について早期に協議に入りたい考え。

 計画案では、江戸中期の旧商家「太田家住宅」(国重要文化財)などを含む市伝統的建造物群保存地区約8・6ヘクタールが対象。維持・復元対象として、江戸期からおおむね昭和30年代にかけての家や土蔵など建築物約280棟と、鞆町のシンボル・常夜灯など石造物約80件を指定。建築物では約600棟の半数近くが対象になるという。修理や管理に関する住民の相談窓口「町並み保存センター(仮称)」を設けるほか、防災計画を早期に策定することも盛り込んでいる。

 重伝建は、国が特に歴史的価値が高いと判断した町並みなどを保護する制度で、選定されると保存事業に国の補助を受けられる。鎌田輝男会長(福山大名誉教授)は「歴史の魅力あふれる地区であり、重伝建の選定実現に大いに期待したい」と話していた。

 市教委は約15年前にも保存計画策定を進めていたが、重伝建選定と一体的に進めていた鞆港の埋め立て・架橋計画を巡る地元での議論がネックとなり、棚上げとなっていた。昨年2月に県が計画を撤回したことを受け、重伝建選定に向けた活動を再開した。

 全国(2月23日現在)では114地区が選定されている。