ここから本文です

トヨタの北米新本社が稼働。意思決定「より速く、シンプルに」

7/10(月) 11:55配信

ニュースイッチ

「北米ワントヨタ」へ製販・金融・渉外など統括機能を集約

 トヨタ自動車は米テキサス州で北米新本社を稼働させた。総額約1100億円を投じ、米国内4カ所に分散していた製造、販売、金融、渉外などの統括機能を新本社に集約。1000人以上の新規雇用者を含め、年内に約4000人の従業員が勤務する予定だ。組織を効率化し、意思決定の迅速化や社内連携の強化につなげる。

 現地時間6日に開いた開所式にはトランプ米大統領がコメントを寄せ、「製造業を米国に取り戻すことは最優先課題の一つ。北米トヨタの取り組みを誇りに思う」と称賛した。

 北米統括会社社長を務めるトヨタのジム・レンツ専務役員は「連携やイノベーションを生み出し、意思決定を加速できる」と述べた。

 トヨタは2014年、北米拠点の機能集約を進める「北米ワントヨタ」構想を公表。テキサス州プレイノの約40万平方メートルの土地に新本社を建設してきた。製造や販売などはプレイノに集約する一方、研究開発や調達などはミシガン州アナーバーへの移転を進める。

 トヨタは1月、米国内で雇用拡大を求めるトランプ大統領に呼応する形で、米国に今後5年間で約1兆1000億円の投資計画を発表。今回の新本社建設費もこれに含まれる。このほかインディアナ州やケンタッキー州の既存工場の刷新にも投資する計画だ。

<解説>
 日産自動車も以前に北米本社を移転した時もそうだったが、転居を嫌ってかなりの人が辞めた。古い人が去り、新しい血が入ってくれば本社移転は企業文化を変える大きな選択肢になる。伝統的な大企業だった米ゼネラル・エレクトリック(GE)もデジタルファストになるため本社移転を実行した。その時、働き方も同時に変えないと効果が薄れる。

 豊田章男社長は「現在の自動車産業はパラダイムシフトが求められている」とし、米テスラや同ウーバー・テクノロジーズなどと手を組んできたが、彼らのような“ゲームチェンジャー”はもはやライバル。自ら成長戦略を描き始めた。

 18年3月期は研究開発費1兆500億円と過去最大規模を計画する。豊田社長は「意志ある踊り場」「年輪的成長」と、将来に向けた基盤固めや着実に成長する会社の姿を表現してきた。巨大企業となり、以前のように大きく成長する局面ではなく足踏み状態。09年から始まった豊田社長体制において、今が最も難しい局面かもしれない。

最終更新:7/10(月) 11:55
ニュースイッチ