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Apple Pay上陸8カ月の“勝ち組“はどこか? ー 会員数125%に激増の「あの企業」を直撃

7/10(月) 21:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

2017年5月31日付けの一部報道によれば、金融庁と経済産業省は今後10年、つまり2027年までにキャッシュレスでの決済比率を40%にまで引き上げるべく、小売店への決済端末の導入支援を含めた国家施策を進めているという。現状、17~18%程度といわれる日本国内でのカード決済比率だが、今後は電子マネーやモバイル利用も含めて米国の4割程度の水準へと引き上げ、インバウンド対応や国内での消費喚起につなげていきたい考えだ。

【画像】従来のQUICPayと、新たなQUICPay+の違い。決済の上限金額のほか、デビッドカードなど紐づけられる支払い方法も増えている。

そうした背景のなか、Apple Pay上陸によって、国内で最も“良い“影響を受けたのはどこか?

それは、Apple Payで使える3つの決済手段のうちの1つ「QUICPay」を推進する国内カードブランド最大手のジェーシービー(JCB)だ。

Apple Pay開始前後で会員数が120万人増えた

Apple Pay登場による最大の効果を「ブランドとしてのQUICPayの認知度が一気に上がった」ことだと説明するのは、JCBでブランド事業統括部門QUICPay事業推進部次長の吉田敦史氏だ。

日本版Apple Payは(なぜ“日本版“と呼ぶのかは以前の記事で詳しく解説している)iD、QUICPay、Suicaの3種類の決済手段が選択可能だが、このうちQUICPayが認知度の面で他の2つに見劣りしていることは、QUICPayを非接触ICカードサービスとして推進しているJCB自身が認めている。

だが、Apple Payの登場によりQUICPayとして登録されるカードの種類が増え、利用者への認知度だけでなく、クレジットカードや電子マネーを取り扱う加盟店(小売店)での認知度も向上したという。結果として、これまで取り扱ってもらえなかったような場所でもApple Pay登場を機会にQUICPayのシールを店先に貼ってもらえるようになったり、キャンペーン案内を出してもらえるようになった、と同氏は説明する。

では、具体的にどれくらい増加したのか?

QUICPayそのものの会員数は前年同期比25.4%の増加の586万6000人、そして、JCBブランドの国内会員は10.6%増の8161万4000人となった(いずれも2017年3月期末時点)。

クレジットカード各社が会員獲得に向けて連日のようにキャンペーンを繰り広げているが、実際にこのような形で年率成長が2桁というパターンはほぼない。それだけ、Apple Pay上陸のインパクトが大きかったことがわかる。また会員増加にともなって決済金額も上昇し、未対応の加盟店もQUICPayの取り扱いに興味を示しているなど好循環が起こっている。

さらにApple Pay上陸前後でのQUICPay側にも変化があった。「2万円」という決済金額の上限が外れた規格が登場したのだ。これにより、従来路線の少額決済だけでなく、家電量販店や高級飲食店といった店舗にも対応が拡大し、さらに取り扱い決済金額の増加にもつながっているようだ。

JCBで加盟店事業統括部門 加盟店事業統括部 次長の五島玄明氏は、

「もともとQUICPayはターゲットとしていた加盟店の業種を絞っており、例えばコンビニのような日常での小さな金額での決済を、キャッシュからQUICPayに変えていこうというビジネスモデルだった。だが現在ではクレジットカードが使われるような店がすべて対象となり、戦略が変化してきている」

とApple Pay上陸が与えた影響を説明する。

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最終更新:7/10(月) 21:10
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