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同級生に暴行され意識不明 被害者と川越市、1億9700万円で和解

7/10(月) 22:47配信

埼玉新聞

 埼玉県川越市で2012年1月、同級生3人から暴行を受けて意識不明になったとして、当時市立中学2年だった男性(20)らが市などに損害賠償を求めた訴訟の控訴審は10日、東京高裁(永野厚郎裁判長)で和解が成立した。和解金は遅延損害金を含め約1億9740万円。同年12月の提訴から4年半以上にわたった訴訟は、終結した。この日に記者会見を開いた川合善明市長は「重く受け止めている」と話した。

 「市の責任を認めたことを前提とした和解で、その点は良かったと思っている」。和解成立後、男性側の弁護人を務めた伊東毅弁護士は取材に答えた。川合市長は「療養中の被害者に対して一日も早い回復を祈念している」、新保正俊教育長は「再発防止に向け、いじめや暴力行為の根絶を目指し不断の努力を尽くす」とコメントした。

 市側は「学校や教員が予見、対応して責任を負うのは難しい」としていたが、同高裁は認めない見解を示したという。川合市長は会見で、「教員がいじめを認識していれば、このような結果を防げたという裁判所の見解を重く受け止めなければいけない」と話した。新保教育長も「事件の発生に対する責任を重く受け止める」と厳しい表情を見せた。

 一方、原告側も施設退所後の在宅介護費用が認められなかったことを不服として控訴していたが、その点も認められない見解が示され、伊東弁護士は「高裁の判断を尊重せざるを得ない」と話す。

 伊東弁護士によると、男性の容態は5年以上経過した現在も回復していない。施設を退所して5月から自宅で暮らすが、介護が必要な状態という。男性の母親は弁護人を通じて、「弁護士さんと協議を重ね、和解を受け入れることにしました。今後はできるだけ長く自宅にいられるよう、介護に努めていきたいと考えております」とコメント。裁判上の区切りは迎えたが、男性と母親の回復に向けた生活は、これからも続く。

 一審さいたま地裁川越支部判決によると、男性は12年1月に市内の公園で同級生3人に殴られるなどして重体になった。3人は傷害容疑で逮捕され、少年院に送致された。

最終更新:7/11(火) 11:05
埼玉新聞