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[ニュース分析]文大統領10日午前に帰国…「北朝鮮核の平和的解決」への共感広めた

7/10(月) 11:59配信

ハンギョレ新聞

G20首脳会議の決算 「制裁・対話を並行」韓国主導権を追認 北朝鮮核・ミサイルの共同声明はなかったが メルケル「安保理の役割」の支援を引き出す 韓米日首脳共同声明も初めて採択  日中関係は課題に 習近平との会談では「THAAD葛藤」解決できず 国交正常化25周年を機とする首脳会談には肯定的 日本とシャトル外交の復活…「12・28合意」は平行線

 今月7日から2日間ドイツ・ハンブルクで開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会議は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領にとっては就任後、多国間外交力を評価される最初の試験台だった。ここで文大統領はG20の公式日程を消化しながら、米国・中国・日本・ロシアなど周辺4強国はもちろん、ドイツ・フランスなど欧州主要国の首脳と二国間会談を相次いで開くなど、北朝鮮核・ミサイルプログラムに触発された朝鮮半島情勢の平和的解決に向けて東奔西走した。これを通じて文大統領は、朴槿恵(パク・クネ)政府の後半期に失われていた4強外交を修復する一方、北朝鮮核・ミサイル問題の平和的解決について国際社会の共感を形成する成果を収めた。しかし、THAAD(高高度防衛ミサイル)配備問題、日本軍「慰安婦」合意などをめぐり、それぞれ中国、日本との意見の相違を縮められなかったことは課題として残る。

■北朝鮮核問題の主導権を確保
 文大統領は今回のG20首脳会議を通じて、先月末の韓米首脳会談で合意した北朝鮮核・ミサイル問題に対する平和的解決と朝鮮半島問題の韓国主導の原則について、国際的支持を確保することに重点を置いた。しかし、出国前日に起こった北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)級ミサイル試験発射で国際社会の世論が冷え込み、文大統領は大きな負担を抱えてドイツ行きの飛行機に乗った。文大統領は「強化された制裁と圧迫」を北朝鮮問題の解決策に追加する一方、これもまた「制裁のための制裁」ではなく、北朝鮮を対話のテーブルに引き出すための「手段的処置」であることを明確にすることで、北朝鮮ミサイル発射後の状況変化に対応した。既存の「平和的解決策」の枠組みを揺るがすことなく、国際社会の拒否感を最小化できるそれなりの方策だったということだ。これは、北朝鮮に「耐え難い強度の非軍事制裁」と「態度変化を前提にした国際社会の支援の約束」という二つの選択肢を提示し、これを主要国首脳らの公論の場で追認する形式を備えることになった。問題は、このような解決策も北朝鮮の反応なしには空虚な宣言にとどまりかねないという点だ。朝鮮半島情勢を動かす「運転席」に座るという文大統領の希望もまた、北朝鮮の選択によって揺らぐ可能性が高い。

■国際社会の共同対応を促す
 参加国首脳らの非公開会議で北朝鮮問題が緊密に論議され、これに対し議長国であるドイツのアンゲラ・メルケル首相が別途の記者会見を開き、「口頭声明」の形式の立場を表明したのは、文大統領が注いだ努力の成果だと大統領府は自評している。メルケル首相は7日、「テロリズム」をテーマに進行した非公開のリトリートセッションの結果を説明する記者会見を開き、「G20は経済・金融問題に集中する会議体制だが、非公開セッションで北朝鮮問題が自然に議論された」とし、「議論に参加したすべての首脳たちが北朝鮮の核・ミサイル問題について脅迫的という懸念を表明し、国連安全保障理事会(安保理)の積極的な役割を注文した」と明らかにした。当初、文大統領は北朝鮮の核・ミサイルプログラムに対する憂慮と北朝鮮に対する制裁と対話の並行原則がG20参加国の共同声明に反映されることを望んでいたが、国際経済懸案を扱う主要国首脳の集まりであるG20の共同声明に外交・安保懸案に対する立場を盛り込むのは最初から無理だったと政府関係者らは説明している。ある政府関係者は「北朝鮮がミサイルを発射してからいくらも経たない状況で、急にこれを討議し、結果を文書に盛り込むのは困難な状況だった」と説明した。

 6日に行われた韓米日首脳晩餐会を通じ、対北朝鮮制裁から「軍事的オプション」を排除して朝鮮半島問題を平和的に解決することで合意し、これを共同声明で表明したのも成果だ。今まで8回開かれた韓米日首脳会談で、合意文形式の共同声明を出したのは初めてだ。ドイツ・フランス・インド・カナダ・オーストラリアなどとの二国間首脳会談でも、韓国政府の北朝鮮問題の解決策に対する支持表明が続いた。

■中国とはTHAAD接点探しに失敗
 今回の主要20カ国首脳会議を経て、韓中関係はさらに複雑化したのではないかという分析が出ている。文大統領は6日、ベルリンで中国の習近平国家主席と会って両国間で最も尖鋭なTHAAD配備をめぐり、接点を見出せなかった。環境影響評価(アセスメント)を進める期間に、北朝鮮核問題解決の突破口を探してTHAAD問題の敏感性を減らすという文大統領の解決策に対する認識の差も確認された。

 これに加え、韓米日の首脳が晩餐をともにして共同声明を出したことで、3国協力の強化は浮上したが、その分、韓米日対中ロの構図がさらに強化されたことが負担になる。今回の会議を控えて、中国とロシアは「外交部連合声明」を表明し、朝鮮半島へのTHAAD配備反対の意思を再度強調した。

 事情に明るいある中国専門家は「中国が最も憂慮しているのは韓米日が安保協力体制に進むこと」だとし、「中国では『韓国が韓米同盟のフレームに閉じ込められたのではないか』という懸念が高まっている」と話した。習主席が「韓米日協力体制」に対する憂慮を表明した理由と解釈される。

 それでも両首脳が今回の会談で、8月の韓中国交正常化25周年を控え関係改善の可能性を開いたのは肯定的だという評価が出ている。両国が高位級チャンネル対話を続けることにしただけに、ここで接点を見出すことがカギになると見られる。

■12・28合意・少女像問題は平行線
 7日、ハンブルクで開かれた初の韓日首脳会談では、昨年12月の釜山日本総領事館前の「平和の少女像」設置以来冷え込んだ両国関係を改善するというお互いの意志を確認し、「シャトル外交」の復旧に合意したことが成果として挙げられる。日本軍「慰安婦」被害者問題に関する12・28合意(以下12・28合意)と少女像問題については立場の隔たりを埋めることができなかったが、これを他の政策と分離してアプローチするいわゆる「ツートラック」アプローチに両首脳が共感を築いたことも評価できる。2012年、李明博(イ・ミョンバク)大統領の独島訪問をきっかけに中断されたシャトル外交を5年ぶりに復元して、「慰安婦」被害者問題と韓日関係を同一線上に置いて角を立て両国関係を破綻に追い込んだ朴槿恵(パク・クネ)政府のアプローチ方式から脱したという意味がある。

 しかし、文大統領が言及したように、「12・28合意」と少女像問題に対する国民の情緒的な溝が深いという現実は依然として難題だ。両首脳の意志とは別に、二国間の関係が改善されても一定の限界が存在するという見通しが出ている。

ハンブルク/イ・セヨン記者、キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:7/10(月) 11:59
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