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円全面安、欧米金融政策との方向性の違いで売り圧力続く

7/10(月) 13:00配信

Bloomberg

東京外国為替市場では円が全面安。欧米と日本の金融政策の方向性の違いを背景とした円売りの流れが続き、ドル・円相場は約2カ月ぶりのドル高・円安水準を更新した。

ドル・円は10日午後3時38分現在、前週末比0.2%高の1ドル=114円18銭。朝方は114円ちょうど前後でもみ合っていたが、仲値公表が集中する午前10時ごろに114円20銭と7日の海外市場で付けた5月11日以来の高値を更新。午後には114円24銭まで値を切り上げた。ユーロ・円相場は一時1ユーロ=130円29銭と昨年2月以来の高値を付けた。

東海東京調査センターの柴田秀樹金利・為替シニアストラテジストは、6月後半から欧米中銀の金融政策に関する発言がタカ派になっている一方、日銀は現行の緩和政策を続ける見通しで、金融政策の違いや金利差が意識されると指摘。ドル・円は「円キャリー取引(円で資金を調達して金利の高い通貨などに投資する取引)が出てくるので上値を試す展開ではないか」と話していた。

日銀の黒田東彦総裁は10日、定例支店長会議で、2%の物価目標の実現を目指し安定持続に必要な時まで緩和を継続するとあいさつした。欧米を中心に金利上昇圧力が強まる中、日銀は先週末に固定利回りで国債を無制限に買い入れる「指し値オペ」を約5カ月ぶりに実施し、長期金利の上昇を抑制する姿勢を示した。

10日の東京株式相場は3営業日ぶりに反発。前週末発表された6月の米雇用統計を受けて、米経済失速への警戒感が後退した。

JPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉為替調査部長は、欧米と日本の金融政策の乖離(かいり)をテーマとした円安がどこまで続くかというところはあるが、思ったよりも株が堅調で、「株が崩れない限り、なかなか円高になりづらい雰囲気になってきている」と話した。

今週は12、13日にイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が議会証言を行う。また、米経済指標では6月の消費者物価指数(CPI)や小売売上高が発表される。6月の米雇用統計では雇用の伸びが市場予想を上回った一方、賃金インフレ動向を見る上で注目の平均時給は予想を下回った。

棚瀬氏は、「来年以降の米利上げ期待の高まりを背景とした米長期金利の上昇とそれを受けたドル・円の上昇が続くかという意味で今週の動きは重要」だとし、CPIが4カ月連続で下振れするようだと米利上げ期待を冷やす、ドル・円の上昇を抑える可能性があると話した。カナダドル・円は1加ドル=88円台後半と先週末に付けた昨年12月以来の高値付近。ブルームバーグ調査では、エコノミスト26人中18人がカナダ中銀が12日の会合で政策金利を0.5%から0.75%に引き上げると予想している。利上げに踏み切れば、2010年以来。7日発表の6月のカナダの雇用統計は市場予想を大きく上回った。

Hiroko Komiya

最終更新:7/10(月) 15:48
Bloomberg