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さだまさしも絶賛したバイオリン奏者・若林暢さんの壮絶人生 国際的に活躍も、58歳で人生に幕

7/11(火) 16:56配信

夕刊フジ

 国際的に活躍した孤高のバイオリニスト、若林暢(のぶ)さん(享年58)。遺された貴重な音源がこのほどCDで発売され、話題を集めている。シンガー・ソングライターのさだまさし(65)も絶賛する音楽家は、壮絶な人生を歩んでいた。だからこそ今、その演奏が注目されているのだ。

 若林さんは1958年生まれ。4歳からバイオリンをはじめ、東京芸大大学院を経て、米ジュリアード音楽院を卒業。86年にはニューヨーク国際芸術家コンクールで優勝するなど、受賞歴も華やかだ。

 アメリカやドイツ、イタリアなど世界を股にかけた演奏活動を行い、国際的に高い評価を得ていた。デビューCDは英国のレコード会社から発売され、2000年には日本でもリリースされた。

 一方、プライベートでは2度の離婚を経験。ひとりで両親の介護をする中、自身も乳がんを発症しさらに肝臓に転移。余命宣告を受けながらも、介護と演奏活動を続けるという壮絶な闘病生活を送っていたのだ。

 そして16年6月8日、乳がんのため死去。チャリティーにも積極的だったが、晩年の音楽はすごみを増し、「激痛を抑えるための鎮痛剤を打ちながら最後までバイオリンに打ち込んでいたそうです」とレコード会社関係者。そんな人生からか、人知れず「魂のバイオリニスト」と呼ばれている。

 今回、リリースされたCDも「魂のヴァイオリニスト」と題され、デビューアルバムだった「ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ全集」と秘蔵のライブ音源による「ヴァイオリン愛奏曲集」(ともにソニー・ミュージックダイレクト)の2枚。

 「ブラームス」は、本場ヨーロッパをも震撼させたテクニックと情熱を感じさせる1枚。

 「愛奏曲集」は生前に本人が愛してやまなかったバイオリン小品のライブ音源から選りすぐった、クライスラー、パガニーニ、サラサーテ、ラヴェルなど名曲20曲を収めている。すべて未編集音源というのも珍しい。

 命の音を心して聴いてほしい。

最終更新:7/11(火) 16:56
夕刊フジ