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大洗研被ばく 「発がんリスク0.5%上昇」 50代職員推計

7/11(火) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

日本原子力研究開発機構「大洗研究開発センター」(大洗町)の被ばく事故で、量子科学技術研究開発機構は10日、作業員5人の今後50年間の内部被ばく線量を推計した結果、50代の原子力機構職員が最も高い100ミリシーベルト以上200ミリシーベルト未満だったと発表した。ほかの作業員は10ミリシーベルト以上50ミリシーベルト未満が2人、10ミリシーベルト未満が2人だった。量研機構の明石真言執行役は「(線量が)一番高い人は発がんリスクが0・5%上がる。ほかの4人は健康被害は出てこないと思う」と述べた。

量研機構は事故翌日の6月7日から、放射性物質の体外排出を促す薬剤を投与する治療を続け、尿などの排せつ物に含まれる放射性物質などから内部被ばく線量評価を続けていた。現在、5人の体調に異常はなく、今後も健康状態の調査を継続する。

当初、原子力機構は線量の評価で、50代の職員の肺から2万2千ベクレルのプルトニウムを計測し、今後50年間の積算の推定被ばく量を12シーベルトと発表。その後、量研機構が皮膚などに付いた放射性物質を計測した可能性が高いとして、評価を見直していた。

原子力機構核燃料サイクル工学研究所の百瀬琢麿副所長は「内部被ばくが深刻と考え、できるだけ早く医療措置に入ることを最優先して肺の測定をしたが、肺の奥か体の表面かを識別しないまま情報を出して混乱を招いた。緊急事態での情報の出し方は検証して改善したい」と話した。

原子力機構の事故で内部被ばく線量が最も高かったのは、1993年12月に東海再処理施設(東海村)で起きた事故で最大90ミリシーベルトだった。今回修正された50代の職員の被ばく線量は、原子力機構の内部被ばく事故によるものとしては過去最大となった。(高岡健作)

茨城新聞社