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20分間で全席機外へ運び出す 特集・HACのサーブ340B新シート換装作業(前編)

7/11(火) 13:12配信

Aviation Wire

 1998年3月の就航以来、北の空で多くの人を乗せてきたラベンダー色のシートが、ひっそりと姿を消していく。北海道エアシステム(HAC、NTH/JL)は、足もとが広くなった革製新シートに換装したサーブ340B型機(1クラス36席)の1機目(登録番号JA01HC)を7月9日に就航させた。12日までに全3機が新シートになり、機内は少しシックな装いになる。

【機外へ運び出されるラベンダーシート】

 HACは、旧日本エアシステム(JAS、現JAL)と北海道による第3セクターとして、1997年9月30日設立。当時の持ち株比率はJASが51%、北海道が49%で、現在は日本航空(JAL/JL、9201)が57.2%、北海道が19.5%、札幌市が13.5%となり、2016年10月30日からはJAL便名で運航している。

 3機あるサーブのうち、今回新シートとなった初号機JA01HCは、1997年12月22日に受領。2号機のJA02HCは1998年5月7日、3号機のJA03HCは1999年4月27日に引き渡された。現在の塗装は初号機のみ旧HACカラーで、残り2機は鶴丸塗装となっている。

 最初の路線は、1998年3月28日に開設した札幌(新千歳)-函館線。シートは就航以来、北海道をイメージしたラベンダー色のものだったが、初めて換装された。現在は、札幌(丘珠)-函館線を1日6往復、札幌(丘珠)-釧路線を同4往復、札幌(丘珠)-三沢線と札幌(丘珠)-利尻線、函館ー奥尻線をそれぞれ同1往復運航しており、季節運航の函館ー三沢線が1日1往復となっている。

 従来のラベンダーシートは、B/Eエアロスペース製。シートピッチは30インチ(76.2センチ)で、シート幅は18インチ(45.7センチ)、高さは45.07インチ(114.5センチ)だった。

 一方の新シートは英アクロ社製で、これまで下部にあったシートポケットを上部に設置することで、ひざ元のスペースを確保。座席数は従来と同じ36席で、シートピッチも30インチのままだが、薄型シートになったことで足もとが約6センチ広くなった。シートカラーはダークグレーで、フライトが短時間であることから、リクライニングしない仕様になっている。シート幅は17インチ(43.2センチ)、高さは44.37インチ(112.7センチ)となる。

 通常新しいシートに載せ替えた場合、国土交通省航空局(JCAB)からSTC(Supplemental Type Certificate、追加型式設計承認)を取得する必要があるが、今回のシートは取得不要で、換装するだけで運航に復帰できる。

 HACのオペレーション本部の井上勝見整備部長によると、ラベンダーシートは特注で、HACが設立された際、北海道から強い要望があったという。北海道らしさはあるものの、「古くなっていたので、早く変えたかった」と話す。

 新シートへの換装作業は、7月4日から6日まで3日間かけて行われた。HACは現在、同じJALグループでサーブを運航する、鹿児島の日本エアコミューター(JAC/JC)に整備を委託しており、今回はJACの整備士8人がHACの拠点である札幌の丘珠空港で、作業にあたっている。また、JACのサーブが1機応援で入っており、換装作業による欠航を出さずに済んでいる。

 作業中はシートを外すと機体のバランスが崩れることから、4日は胴体をジャッキアップして固定し、換装作業の準備が行われた。

 5日早朝から行われた作業では、機内で固定しているレールからラベンダーシートが外され、午前8時25分から45分までの20分間で、3人の整備士の手で機外にすべて運び出された。

 9日に復帰した1機目に続き、新シートとなった2機目(JA02HC)は11日、3機目(JA03HC)は12日に運航開始を予定している。

 写真特集の前編では、ラベンダーシートの取り外し作業のほか、12列全席を写真に収めた。

Tadayuki YOSHIKAWA

最終更新:7/11(火) 13:12
Aviation Wire