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三菱航空機が債務超過、経営は大丈夫? MRJはどうなるの?

7/12(水) 8:30配信

THE PAGE

 初の国産ジェット旅客機となるMRJを製造する三菱航空機が債務超過に陥っていることが明らかとなりました。開発が大幅に遅延し、機体を顧客に納入できないことが主な理由ですが、同社の経営は大丈夫なのでしょうか。

2017年3月期は510億円の債務超過

 三菱航空機は三菱重工グループの航空機製造会社でMRJの開発を担当しています。MRJは当初、2013年に初号機を納入する予定でしたが、設計変更などが相次ぎ、開発スケジュールを5度延期。現在は2020年半ばの納入を目指しています。

 機体が完成していませんから、売り上げを立てることができず、開発費用がそのまま累積の損失となっています。同社の自己資本は資本金が500億円、資本準備金が500億円の合計1000億円です。

 2016年3月期の決算では累積の損失が約1000億円となり、自己資本をほぼすべて食いつぶした状況でしたが、昨年度には追加で510億円の損失が発生しています。このため2017年3月期の決算では、負債が資本を上回り510億円の債務超過となりました。

三菱重工がどこまで資金援助を続けられるか

 510億円の債務超過と聞くとびっくりしてしまいますが、これでMRJのプロジェクトがダメになってしまうわけではありません。もし三菱航空機が単独で存在している会社であれば、法的整理などの対象となる可能性がありますが、同社は三菱重工の傘下にあり、市場では同社と重工は一体とみなされています。

 三菱航空機が債務超過に陥った以上、増資など何らかの手段で三菱重工が資金援助を行いますから、このまま開発を継続することが可能です。

 最大の問題は三菱重工がどこまで資金面での援助を続けることができるのかという部分でしょう。三菱重工の2017年3月期の業績は売上高が約3兆9000億円、営業利益が約1500億円と減収減益となりました。特に営業利益は前年比で50%減とかなり厳しい状況です。

 また手元の現金は2500億円程度しかなく、三菱航空機に大規模な支援をするということになると、借り入れの増額など何らかの財務的な手当が必要となります。同社の自己資本は2兆円ほどありますから、すぐに財務的な余裕がなくなるわけではありませんが、これ以上、MRJの損失が続けば、健全財政とはいかなくなるでしょう。

機体を完成させることとビジネスの成功は別問題

 納期の遅れは米国における型式証明取得に関連した理由がほとんどですので、時間とコストをかければ、問題なく量産体制に移行できると考えられます。しかし機体を無事完成させることとビジネスで成功させることは別問題です。

 MRJの最大のライバルであるブラジル・エンブラエル社の最新鋭機は2021年頃に納入が始まるといわれています(同規模の競合機)。仮に現状のスケジュールで開発が終了しても、MRJの先行のメリットはほぼなくなってしまいます。価格面などで厳しい条件が課される可能性が高く、当分の間、三菱重工グループの財務の足を引っ張りそうです。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:7/18(火) 6:04
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