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東電、他電力の地盤で営業攻勢 幹部「節操がない」

7/11(火) 5:04配信

朝日新聞デジタル

 東京電力ホールディングスが中部や関西など他電力の地盤で営業攻勢を強めている。福島第一原発事故の対応費を賄うため、収益アップが優先課題だからだ。東電は他電力に事業再編も迫っており、他電力からの反発は強まっている。

 東電は7月から、三菱自動車の主力工場、岡崎製作所(愛知県)と製造子会社のパジェロ製造(岐阜県)に電気を供給する契約を獲得した。地元・中部電力より安い料金を提示したとみられる。三菱自は「調達コストを比較検討した結果」(広報)という。

 東電と中部電は2019年度に火力発電事業を統合するなど連携しているが、営業面では競争していることが鮮明になった。中部電幹部は「これから一緒にやっていくところなのに」と戸惑いを隠さない。

 東電は8月から、中部電の供給エリアでの家庭向け電気料金の値下げにも踏み切る。中部電も首都圏での販売を強化しており、互いの供給エリアで競争が激しくなる。

 関西でも、東電はビルや工場など電気を多く使う会社を狙って営業をかけている。

 首都圏でも反転攻勢が目立つ。工場向けに電気を売る新電力大手は今年に入り、東電に契約を奪い返される例が増えた。新電力幹部は「有名企業に狙いをつけて、値下げの提案をしているようだ」とみる。

 東電は福島第一原発の事故対応費を賄うため、30年にわたり年5千億円の資金を生み出す必要がある。新再建計画では、3年後に売上高を4500億円増やす目標を掲げる。東電幹部は「首都圏以外で契約を増やすことも方策だ」という。

 東電は送配電や原発事業で他電力に再編・統合を呼びかける方針だが、他の電力大手は「競争をしかけておいて協力を求めるなんて、節操がない」(幹部)と批判する。(米谷陽一、細見るい、青山直篤)

朝日新聞社