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静岡市隊員「強風下ベスト尽くした」 ヘリ救助者落下訴訟で証言

7/11(火) 7:40配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 2013年12月に富士山で起きた滑落事故で、静岡市消防航空隊のヘリコプターによる救助作業中に落下し翌日死亡が確認された京都市の男性=当時(55)=の遺族が、静岡市を相手取り約9千万円の損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が10日、京都地裁(三木昌之裁判長)であった。作業に当たった隊員3人のうち機長以外の2人が出廷し、当時の様子などを証言した。

 訴訟の主な争点は、(1)ホイストカット(地上隊員とヘリをつなぐワイヤを切ること)なしで使用可能な救助器具「DSV(デラックスサバイバースリング)」の選択は適切だったか(2)DSVの胸ベルトに加え、なぜ股下シートを使わなかったのか―の2点。

 ヘリ上で男性を引き上げる「オペレーター」を担当した男性隊員(46)はDSV選択の理由を「未経験の高度3500メートルでの作業で、地上隊員が取り残される危険があった。出発前から指示された」と述べた。股下シートを使わなかったことについては「補助的なもので使わない方が多い」と説明した。

 地上に降下して作業した男性隊員(40)は「現場では訓練で培った技術と、二次被害の恐れの両方を検討する。判断は間違っていなかった。ベストを尽くした」と主張。救助時の気象条件などに関しては「強い西風でヘリの着陸脚が何度も地表にぶつかりそうになった。救助中の男性のブリザードパック(寝袋型保温器具)を脱がし、股下シートを装着するのに必要な数十秒すらなかった」と証言した。

 静岡市は救助者落下を受け、消防ヘリの救助活動の高度上限を3200メートルに設定した。訴訟は8月下旬に結審し、早ければ年内にも判決が言い渡される。

静岡新聞社