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医師は完治明言も 初白星の稀勢の里に「相撲勘鈍い」の声

7/11(火) 12:02配信

日刊ゲンダイDIGITAL

「ケガが治っているのならば、左という武器を生かした相撲を見せてくれよ、と言いたいですね」

 失望感もあらわにこう話すのは、相撲評論家の中澤潔氏だ。

 初日は何もできずに御嶽海に寄り切られた横綱稀勢の里(31)。10日(2日目)は勝つには勝ったが、初顔合わせの貴景勝に苦戦を強いられた。

 立ち合いから突っ張りをしかける20歳の貴景勝に応戦するも、明らかに押された。最後は単調なリズムで前に出てくる相手をなんとか突き落としたが、問題は初日も使えずじまいだった左差しを、この日も使わなかったことだ。

 この対戦前、向正面で中継の解説を務めた西岩親方(元関脇若の里)は弟弟子の稀勢の里について、「左腕のケガはほとんど治っている。ケガをする前の状態に近いくらい」と話していた。11日発売の週刊誌「FLASH」でも、稀勢の里の主治医が「胸と腕の怪我は完治しています」「稀勢の里の回復力は驚異的な早さです。(中略)今場所についてはまったく心配していません」と証言している。

■「今場所の見通しが暗くなった」

 しかし、解説者の舞の海は「初日の相撲を見る限り、ケガが治ってアレでは悪い時の稀勢の里に戻ったのでは……」と、懸念。冒頭の中澤氏も「今日は相手の調子に合わせて相撲を取っただけです」と、こう続ける。

「要した時間は16秒ほどでしょうか。左が使えるのなら、仕留めるのにそう時間がかかる相手ではない。仮に完治が本当でも、相撲勘が鈍っているのは間違いないでしょう。そもそも、どこまで真剣に稽古を積んできたのか、私は疑問です。4横綱の土俵入りを見る限り、体に張りがなく、だぶついているのは稀勢の里だけですからね。スポーツ紙は『高安と何番取った』などと書いていましたが、高安だって賢い力士です。稽古で兄弟子の自信を粉砕するような相撲なんて取りませんよ。昨日今日の相撲内容では、『もう大丈夫だ』と言えるものは何もない。むしろ余計に見通しが暗くなった」

 支度部屋では、「ああいう展開でも、しっかりやれた」と満足げに振り返った稀勢の里。裏を返せば、左を使えない以上はひたすら耐えて相手の隙を突くしかない。ただでさえ、受けに回るとモロい横綱だ。この日は突き押し一辺倒の若い相手に恵まれたに過ぎない。

 左腕のケガが完治したというなら、むしろ不安が募る相撲内容。「7月場所出場は間違いだった」と言われる展開にならなければいいが。