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稀勢、ほっと1勝!新鋭・貴景勝と20秒の突き押し合い制した/名古屋場所

7/11(火) 7:00配信

サンケイスポーツ

 大相撲名古屋場所2日目(10日、愛知県体育館、観衆=7580)2場所連続の初日黒星発進となった休場明けの横綱稀勢の里(31)は、自己最高位まで番付を上げた20歳の西前頭筆頭、貴景勝を突き落とし。横綱として名古屋で初白星を挙げた。伸び盛りの若手の力を試すように相手得意の突き押しに応戦。連敗を回避した。故郷の茨城県の名産品、7月10日の語呂合わせ「納豆の日」にあやかるような粘りの相撲で、再起のきっかけをつかむ。

 受け止めては、押し返す。初顔合わせ。突き押しが得意の20歳、貴景勝が挑むように何度も横綱の分厚い胸に飛び込んでいく。稀勢の里もあえてまわしにこだわらず、土俵上の「押し問答」につきあった。20秒3。最後は体を左へ開いて、突き落とし。横綱になって名古屋で初白星を挙げた。

 「うん、(相手の)気合を感じましたよ。きょうは今日、あしたはまた集中して…」

 後退する場面もあったが、俵まではかからず余裕もみて取れ「しっかりやれた」。横綱になって3場所目。初日は2場所連続の黒星発進となったが、支度部屋の空気も和らいだ。

 前日9日は左からの攻めがなく、左上腕部、左大胸筋に抱える負傷の影響をにじませるような完敗だった。だが、八角理事長(元横綱北勝海)は連敗を回避した稀勢の里に「(相手の攻めを)受けて、受けての横綱相撲。攻防があったから(突き落としが)効く。受けながらも前へ圧力をかけていた」。慌てず、焦らず、粘り勝ち。

 7月10日は数字の語呂合わせで「納豆の日」だ。納豆が大好物の稀勢の里、弟弟子の大関高安(27)の故郷、茨城県納豆商工業協同組合・高野正巳理事長(71)=だるま食品社長、本社・水戸市=は今場所前、後援者の注文に応じていつものように大量の納豆を名古屋の田子ノ浦部屋宿舎へ送ったという。

 納豆といえば茨城県の名産品だが、ここ数年は購買力が低迷。平成28年の総務省家計調査で水戸市の納豆購入額が3年ぶりに全国1位に返り咲いた。ところが、今年の途中経過では現在、全国15位程度にとどまっている。高野理事長によれば、2年連続1位を守るためには下半期の巻き返しが不可欠で「相撲は『粘って勝つ』というイメージにピッタリ。折しも、茨城県出身の横綱、新大関が相次いで誕生した。2人が頑張ってくれれば納豆の印象がよくなる」。

 さらに、この日は稀勢の里、高安が入門したときから胸を出して成長を促した元関脇若の里、西岩親方の41度目の誕生日。田子ノ浦部屋の部屋付き親方で2人を指導する同親方は、初日黒星からそろって白星を挙げた兄弟弟子に「これで落ち着くでしょう」。日本古来の発酵食品をほおばり、ここから味わいを出す。