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戦争体験「生の声」次代へ 静岡の団体、映像制作進める

7/11(火) 17:10配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 静岡平和資料センター(静岡市葵区)を管理運営する「静岡平和資料館をつくる会」が、戦争体験の「証言映像」制作に取り組んでいる。6月には同センターで一般への一部公開を始め、近くDVDの貸し出しも始める予定。戦争体験世代が減少する中で、生の声を後世に伝える。

 6月22日、同センターで行われた撮影会。「盲腸になったおかげで、爆撃で沈没したジャワ行きの船に乗らずに済んだ」「終戦で自決命令が出た。三八式歩兵銃の銃口を眉間に当て、引き金を足の指で引く練習をした。パチパチという空撃ちの音があちこちで聞こえた」。同市葵区の山崎円一さん(92)は生々しい体験を、落ち着いた口調で明かした。

 山崎さんは県立静岡工業学校の機械科を卒業後、軍属や軍人として太平洋戦争を経験。終戦は1945年8月16日夜、ビルマへ侵攻する部隊の工兵として滞在していたタイ北部のチェンマイ郊外で知ったという。つくる会の会員とボランティアがインタビュアー、カメラマン、記録係を務め、山崎さんの証言を丁寧に収録した。

 同会は長年、平和学習の出前授業や、年に一度開く「静岡空襲と戦争体験を聞く会」を通じ、戦争体験者の講話を撮影してきた。戦後70年を迎えた2015年、記念事業の一環で同会運営委員長の浅見幸也さん(79)を中心に「証言映像部」が発足。市内在住の体験者を中心に、証言の記録を本格的に始めた。

 第1弾の制作着手は16年1月。1945年6月19、20日に当時の市街地の6割以上を焼き、2千人以上の死者を出した「静岡空襲」をテーマにした。これまでに撮りためた約100人分の証言から必要部分を約15分にまとめ、今年6月から公開している。浅見さんは「戦争体験者の生の声は近現代史の貴重な財産」と力を込める。

 第2、3弾も制作予定で、若い世代を取り込むために動画投稿サイト「ユーチューブ」での配信も検討している。動画は同センターで常時、視聴できる。

静岡新聞社