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加計閉会中審査 文科省の先輩・後輩真っ向対立 岩盤に穴「行政が正された」、認定の過程「ゆがめられた」

7/11(火) 7:55配信

産経新聞

 学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)問題をめぐる10日の参院の閉会中審査では、官邸の関与を主張する前川喜平前文部科学事務次官と、愛媛県今治市への獣医学部誘致を進めた加戸守行前愛媛県知事が参考人として席を並べた。旧文部省OBでもある加戸氏は獣医学部新設が地元の悲願だったと説明し、計画への批判を繰り広げる“後輩”への苦言を口にした。(松本学)

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 「私がゆがめられたと思っている部分は、規制緩和の結果として加計学園だけに獣医学部の新設が認められるに至ったプロセスだ。不公平な部分があるのではないか。解明が必要だ」

 こう前川氏が力説すると、自席に着席していた加戸氏は首を大きく横に振った。そして答弁に立つと、淡々とした口調で反論を切り出した。

 「10年間我慢させられてきた岩盤にドリルで穴を開けていただいた。『ゆがめられた行政が正された』が正しい発言ではないか」

 加戸氏は、獣医学部新設をめぐる経過を重ねて説明した上で「特区申請をしてから何回も門前払いを食らった。知事任期の終わりのほうに民主党政権が誕生して『自民党ではできないので私たちがやる』と頑張ってくれた。よかったね、と次の知事にバトンタッチしたが、(その後の)自民党政権でも何も動いていない」と訴えた。

 ◆歯切れの悪さも

 「官邸の関与」を否定する見解を突きつけられた前川氏は、バツの悪そうな表情を浮かべて、こう切り返した。「愛媛県の粘り強さ、頑張りにはある意味敬服する。本当にお疲れさまでしたと加戸先輩にも申し上げたいが、それと政策判断は別物だ」

 衆参両院の審査を通して胸を張って冷静に言葉をつむぐ場面が目立った前川氏。しかし、批判が自身に及ぶと歯切れの悪さを露呈した。東京・歌舞伎町の「出会い系バー」への出入りに関する「女性の貧困についての視察調査」との釈明に関して問われると前川氏は「『調査』という言葉は適切でなかったかもしれない」と苦しい説明を強いられた。

 菅義偉(すが・よしひで)官房長官は10日の記者会見で、「背景に官邸の動きがあった」などと証言した前川氏について「臆測とか、そういうものに基づいているのではないか」と反論した。

 攻撃の際は威勢のよさを際立たせつつ、自らに矛先が向くと、とたんに勢いを失う-。前川氏の発言に危うさがつきまとっていることは否めない。

 ◆霞が関の文化

 「私は霞が関で三十数年生活した」と切り出した加戸氏は、前川氏の官僚としての姿勢への不信感を隠さなかった。

 「省庁間折衝では激しい言葉も使い、場合によって虎の威を借る狐(きつね)のような発言もあり…。でも事柄が決着した後は、酒を酌み交わして次の施策に向かっていく。これが霞が関の文化だった。今回は霞が関の文化が感じられない。時代が変わったのか…」

最終更新:7/11(火) 8:15
産経新聞