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【東東京】9人の都立三商、30年ぶり夏1勝

7/11(火) 6:13配信

スポーツ報知

◆全国高校野球選手権東東京大会 ▽2回戦 三商5―2つばさ総合(10日・明大球場)

 東東京では、部員9人の都立三商がつばさ総合に勝利。1987年以来30年ぶりに夏1勝を挙げ、東東京最長の初戦連敗を28で止めた。30年前に勝利した羽田工の流れをくむ因縁の相手との再戦で勝利。主将の神尾青輝捕手(3年)が顔面に死球を受け、あわや没収試合の危機を乗り越え、白星をつかんだ。青藍泰斗(せいらんたいと・栃木)のプロ注目最速149キロ右腕・石川翔(3年)は左足首痛を抱えながら、1点リードの8回途中から緊急登板。1回1/3を無安打無失点で接戦を制した。

 都立三商のエース左腕・高橋由典(3年)の渾身のスライダーにバットが空を切る。主将の神尾のミットに吸い込まれた瞬間、東東京最長の28大会連続初戦敗退の“負の歴史”に終止符が打たれた。

 3年生5人、2年生3人、1年生1人の部員9人。代わりがいない中、奮闘した。高橋は「終盤、両足がつりそうだったけれど、自分が投げきらないとと思った」。初回は機動力でかき回され失点したが、2回以降は逆手に取り、けん制で走者を次々と刺した。落差のあるカーブにタイミングが合わないとみると変化球を多投。5回以降は無安打に抑え、131球を投げ抜いた。

 危機を乗り越えた。5回、神尾が顔面に死球を受け、その場で崩れ落ちた。清水隆監督(28)は「あの瞬間、鼻が折れたと思って冷や汗が出ました」。控え部員がいないため、退場なら没収試合。最悪の事態が頭をよぎったが、唇を切り、流血し腫れた顔で神尾は出場を直訴。「痛くてやばいと思ったけれど、代わりがいないので…」。気丈にもグラウンドに戻ったキャプテンの姿にチームが一つにまとまった。

 三商が最後に勝利したのは1987年の羽田工だった。今回の相手のつばさ総合が羽田工と羽田が統合された学校だと知り、不思議な因縁に奮い立った。その当時は生まれていない清水監督は「30年ぶりと(周囲から)言われて重いものを背負わせてしまったのかもしれない。でも、本当に選手はよくやってくれた」とナインをねぎらった。試合後、高橋、神尾のバッテリーはベンチで号泣して喜びに浸った。神尾が「何度もやめようと思ったけれど続けて良かった」と語れば、高橋は「勝てそうだと思って7回くらいから泣きそうだった」と初体験に身を震わせた。

 練習試合もわずか1勝の雑草軍団。部員9人+指導者3人でつかんだ金星。また試合ができる喜び。「二十四の瞳」が夏の続きをしっかりと見据えている。(高柳 義人)

 ◆東京都立第三商 1928年4月に東京府立第三商業学校として深川で設立され、30年に越中島に移転。今年11月に創立90周年記念式典が行われる。校歌は山田耕筰が作曲。卒業生に落語家・金原亭馬生、映画監督・鈴木清順さん(故人)ら。野球部創部は不明。一商は代官山、四商は練馬、五商は国立にある。二商は八王子に存在していたが、06年に八王子工と統合し八王子桑志になっている。

最終更新:7/11(火) 12:30
スポーツ報知

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