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上野の赤ちゃんパンダ「山場の1カ月」順調 体重4倍に

7/11(火) 19:23配信

朝日新聞デジタル

 東京・上野動物園の人気者、ジャイアントパンダにメスの赤ちゃんが生まれて12日で1カ月になる。体重は生まれたときの4倍を超え、白と黒の「パンダカラー」は鮮明に。24時間態勢で見守ってきた職員たちも胸をなで下ろしている。

 今月2日、園内のパンダ舎にある「産室」。母親のシンシンが好物のタケノコを食べている隙に、職員が柵の中に手を伸ばし、胸に抱いていた赤ちゃんを取り出した。生まれて4回目の身体検査だ。35度に保たれた保育器で体重や身長を測り、傷がないか全身を確かめる。15分後、赤ちゃんをシンシンに戻した。

 一時的にでもパンダから赤ちゃんを取り上げることは、育児放棄につながるおそれがある。だが、体重が100キロ超の母親に比べて赤ちゃんは数百グラム。順調に成長しているかどうか見た目では分かりづらく、数値で確認するしかない。

 本場・中国でもこうした人が関わる飼育方法が主流で、赤ちゃんの生存率は以前より大幅に改善したという。福田豊園長は「小さく生まれるパンダは育てるのが難しい。飼育係が適切に関わることで圧死や感染症といったリスクを回避できる」と話す。

 シンシンは5年前に初めて出産したが、エサに夢中で赤ちゃんを床に置きっぱなしに。職員が手当てをして戻したが、肺炎で死んでしまった。苦い経験から今回は産室のカメラを3台から7台に増やし、獣医師と飼育係が3人1組になって24時間待機。授乳をやめそうなときは人工乳を飲ませる準備をしていた。中国では生後24日で母親が育児をやめた例があり、「まずは1カ月が山場」とみていた。

 そんな心配をよそに赤ちゃんはすくすく成長している。今月1日に撮影された写真には母乳をたっぷり飲み、丸々とした姿が映る。歩行や木登りに使う爪も伸び、あと数日で目が開きそうだという。園では今月28日から名前の公募を開始。半年後に29年ぶりとなるお披露目をめざす。(西村奈緒美)

朝日新聞社