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《高校野球群馬大会・白球の詩》声上げチーム立て直す 渋川工・近藤巧稀主将

7/11(火) 6:02配信

上毛新聞

 3点差をつけられ迎えた7回裏1死満塁のピンチ。打席にはこれまで4打数4安打と打たれている前橋東の1番、西山弥(わたる)。この日はストレートを中心に狙われていた。1ボール2ストライクから出したサインは「低めのスライダー」。内野ゴロを打たせ併殺でピンチを脱したかった。

◎仲間と結束 成長実感

 継投した永峯隼人は狙い通り膝元に投げ込んだ。「打ち取った」。しかし、一塁線ギリギリに転がった打球は無情にもフェア。外野に抜け2点2塁打になった。続く2番打者にも打たれ、2―9で試合が終わった。

 春の県大会4強のシード前橋東を相手に六回途中まで接戦を演じた。「先制されても粘り強く守ることができた。最後は自分たちの力不足。もっとうまくリードしたら抑えられたかもしれない」と責任を背負った。

 主将を託された今季の途中、4月の異動で 監督が交代し、一時選手たちに動揺があった。春季県大会では0―16で大敗。大会後、練習中も声が出ず、チームのムードは沈滞した。チームを立て直すため、新たな指導者となった 小泉健太監督(28)と毎日、話し合った。

 監督は選手たちに自主性を求め、平日の全体練習は2時間と決めた。その後は個人練習に充てた。だが、当初は数人を残して他の部員は帰宅。全体練習でも集中せず、主将として「またあの悔しい思いがしたいのか」と声を上げた。

 練習試合で連係プレーが悪ければ、改善するための練習メニューを提案した。部員たちは併殺プレーなど、課題を明確にしたポジションごとに効率性のある練習をするようになった。ようやくまとまり始めた。

 今大会でもピンチのたびに内野陣がマウンドに集まり、「開き直って思いっきり投げろ」と投手に声を掛けた。仲間の結束、中盤まで大崩れしなかったことにチームの成長を感じた。

 試合後、小泉監督から「私は途中から来たのだから、このチームは近藤のチーム。ここまで来られたのは、おまえのおかげ」と、ねぎらいの言葉を送られた。

 2安打した須田杏之介は「個性的な部員をまとめられるのは近藤しかいなかった。最高のチームになれた」と話した。

 春の大敗から3カ月。別のようなチームになったと実感している。理由は「一人一人勝ちたいという気持ちがあったから」。もう少し野球をやりたかった思いとともに、チームメートと笑顔で写真に収まった。(須藤拓生)

最終更新:7/11(火) 6:02
上毛新聞

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