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“北”のICBMは日米同盟切り離しを生むか?

7/11(火) 6:01配信

ホウドウキョク

アシスタント・千代島瑞希:
北朝鮮がICBM「火星-14」を発射した翌日の5日、韓国軍は北朝鮮を打撃する構想のビデオを公開したんですが、どうしてこんなに過激なものを作ったんでしょうか…

【画像】デカップリングについてイラストで解説

軍事評論家・岡部いさく:
韓国を攻撃するなら、徹底的に“北”を叩くぞ…という抑止でしょう。
それとは別に、いやな想像なんだけど、デカップリング(de-Cuppling)という言葉があるじゃないですか。カップルはくっつける、組み合わせるという意味でデカップリングはそれの反対で切り離すということ。

能勢伸之解説委員:
カップルって日本語として使いますよね。言い換えれば日米同盟も米韓同盟もカップルなわけです。それを引き離すというのがデカップリングというわけです。

千代島:
じゃあ、韓国と北朝鮮のデカップリング?

岡部氏:
あそこは最初からカップルしかない。もとはひとつだから。例えば米・韓とか日・米とか、そういう同盟のカップリングが離れちゃう、解消されちゃうというのがデカップリング。

能勢解説委員:
そのデカップリング、実は7月6日に防衛省の河野統合幕僚長が記者会見で使った言葉なんです。
記者会見でこういう質問がありました。「北朝鮮の今回の火星-14がICBMだとなると、アメリカの日本に対する拡大抑止はどうなるのですか?」と聞かれたんです。

河野幕長の答えは「いわゆるデカップリングだと思うが、積み上げてきた日米の信頼関係があるので、心配ないと考えている」…でした。

デカップリングという言葉が急に出てきたという感じだったんですが、それはどういう意味かということを岡部さんが先ほど描かれたイラストで解説してくださいます。【リンク参照】

岡部氏:
はい、「拡大抑止」が上のイラストです。すごく具体的な話をしちゃうと、もし北朝鮮が同盟国である日本を攻撃した時には、アメリカは同盟国の日本を守るために自国が攻撃されていなくても北朝鮮を攻撃するぞ、だから日本を攻撃するのはやめろよ…というのが「拡大抑止」。

ところが北朝鮮がICBMを持っているという状況になると…というのが下のイラストです。本当は日本が攻撃された場合、アメリカは「拡大抑止」でもって同盟国の日本を守るために北朝鮮を攻撃しなければならないんだけれども…ちょっと待てよと。

北朝鮮と攻撃しようものなら、北朝鮮のICBMが我がアメリカのサンフランシスコやLAに届くじゃないかと。ならば、日本がやれらた時に、そうまでして我が国の大都市が大被害を受けるにもかかわらず北朝鮮を攻撃するのか?どうする?と。

北朝鮮がアメリカを直接攻撃する能力が無い時にはこの「拡大抑止」は効くんだけれども、北朝鮮がICBMを持つようになるとアメリカは「拡大抑止」をどうするんだろうねというのが記者会見の質問だったんですね。

能勢解説委員:
北朝鮮のICBMが、日米関係の引き離しに繋がるのかという側面。それに対し河野幕長は「信頼関係があるから心配ない」とはっきり答えているわけです。
さて先ほど見た、韓国はいつでも北朝鮮を攻撃する準備があるぞとういうビデオですが、米韓同盟のパートナーであるアメリカに対する韓国側のアピールだという考え方もあるのではと思います。

韓国が攻撃を受けたら自分たちでもあきらめずに必死になって“北”と戦うぞ、それがあなたたちアメリカの同盟国たりうる要件でもあるからということをアメリカに対して見せようとしているという見方もできるのではということです。
(文責:松島 スタッフ:能勢・北原)

7月7日(金)放送「週刊安全保障」より

最終更新:7/11(火) 6:01
ホウドウキョク