ここから本文です

「オタク」から「オタクノムコウ」へ ~『電車男』から『脳内スマホ人間』に進化した伊藤淳史~

7/11(火) 17:57配信

トレンドニュース(GYAO)

伊藤淳史主演の深夜ドラマ『脳にスマホが埋められた!』(読売テレビ・日本テレビ系 木曜23:59~24:54)が始まった。子役の頃からテレビに出演していた伊藤だが、人気を決定的にしたのは『電車男』(2005年)だった。

【無料配信】「脳にスマホが埋められた!」配信中>>

秋葉原に出没するオタクで、温厚だが臆病なヘタレを、伊藤が見事に演じ切っていた。
しかも「キタ ーーーヽ(´ω`)ノ ーーー!!」など、顔文字を含めたネット上のやりとりをうまく演出したドラマとして記憶に残る。
そして何より、決して二枚目でなくとも、伊東美咲演ずるエルメスのような美女と付き合えることもあるという、夢と希望を世の男たちに抱かせた功績は大きかった。

■“脳内スマホ人間”

あれから12年。
今回伊藤は、“電車男”以上にITな“スマホ人間”として帰ってキターーー。
タイトルの通り、折茂圭太(伊藤淳史)の脳に、ある日突然、スマホが埋め込まれる。そのシステムにより、他人のスマホの中身をのぞくことができてしまう。オンラインで人のチャットや、検索エンジンの内容まで見えてしまうというのだ。

スマホに頼らずに生きてきたアナログ人間の折茂圭太は、アパレル会社“エグザルトン”に勤める、バツイチ&子持ちで、しかもリストラ候補のサラリーマンだ。
今もガラケーを使っているが、“脳内スマホ人間”になってしまったことで、社内外のさまざまなトラブルに巻き込まれていく。

■デジタルとアナログのはざま

ドラマは、一話ずつの完結で、ストーリーはただのバーチャルではなく、トラブルに巻き込まれる折茂をヒューマンドラマが色付ける。気軽に見られてあと味よし! 放送時間も、「そろそろ寝ようかな」という時間に、ちょっと見るには、ちょうどいいテイストの物語になっている。

誰もが持つスマホ。今や電車に乗れば、乗客のスマホ使用率は90%を超えるといっても過言ではない。アプリを使えば、SNS・ゲーム・路線情報・チャットを始め、音楽を聴いたり、動画を見ることだって、スマホ一つあればなんでもできてしまう。「スマホ中毒」という言葉があるほどだ。
ところがこのドラマでは、スマホに囚われてしまうのは、スマホのヘビーユーザーではなく、今もガラケーを使うアナログ人間の折茂だ。
このあえてパラドクサルな視点も、新鮮味があって面白い。

他人の裏側が見えるようになってしまった折茂は、表面的な人の言動とホンネのギャップに傷つきながらも、それでも自らは誠実さを忘れない。
ITが発達しスマホが普及するとともに、人と人とのコミュニケーションが薄弱になり、人同士の関係もかつてとは大きく変容している。ネットを介した犯罪や、SNSを利用したイジメも出て来ている。こうした便利になりすぎた現代社会の歪(ひず)みも、ドラマは皮肉かつコミカルに描き、しかも古き良き人間性であるべき姿へと正していく。

1/2ページ

Yahoo!ニュースからのお知らせ