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<東松山少年事件>集団暴行主導18歳に有罪「一生十字架背負って」

7/11(火) 21:28配信

埼玉新聞

 埼玉県東松山市下唐子の都幾川河川敷で昨年8月、吉見町中曽根のアルバイト井上翼さん=当時(16)=の遺体が見つかった事件で、傷害致死の罪に問われた無職少年(18)の裁判員裁判の判決公判が11日、さいたま地裁で開かれた。栗原正史裁判長は「他人の生命を奪った事案の重大性」を考慮し、少年に懲役6年以上9年以下(求刑・同6年以上10年以下)の不定期刑を言い渡した。

 栗原裁判長は判決で「最も発言力のある被告人が共犯者に対して暴行せざるを得ない状況を作り出した。暴行は制裁目的で、被告人の意向に沿って行われた」と指摘。井上さんに対し、多人数で2時間弱にわたって暴行を加えた態様を「執ようかつ苛烈で、被害者が死亡する危険性が高い悪質なもの」と述べた。

 弁護側は少年が複雑な家庭環境で育ったことを踏まえ、「更生のためには少年院での育て直しが必要」と保護処分を主張していた。判決は「被告人としては精一杯ともとれる反省の言葉を述べている」としたものの、「主導的立場」だとして少年の役割を重視。過去に少年院で矯正教育を受けていた点なども踏まえ、「他人の生命を奪ったという事案の重大性に見合った刑事処分を受けさせる方が更生に資する」と結論づけた。

 判決によると、少年は昨年8月22日午前2時50分ごろから4時45分ごろまでの間、ほかの少年らと共謀し、東松山市の駐車場や河川敷で、井上さんに対し殴る蹴るの暴行を加えて意識混濁の状態に陥らせて川に沈め、溺死させた。

 判決を終え、当時、井上さんと交際していた女性(17)は「自分が命を奪ったということを忘れず、一生十字架を背負っていってほしい」と話した。

■被害者軽んじられた…被害少年の兄、判決に悔しさ

 18歳少年の判決を受け、井上翼さんの兄が11日、コメントを出した。

 検察官の求刑自体軽いと思っていたのに、それを下回る判決で、しかも、判決の中で、全く翼の無念さにも、遺族感情にも触れられておらず、被害者が軽んじられた気がしました。裁判官・裁判員に翼の命を奪われた無念さが伝わらなかったようで、大変悔しいです。

最終更新:7/12(水) 1:18
埼玉新聞