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「子宛てに投函を」 日々の連絡が詐欺防ぐ

7/11(火) 15:41配信

カナロコ by 神奈川新聞

 ◆高齢者に切手封筒 横浜・青葉区で対策
 特殊詐欺への新たな対策が、横浜市青葉区で始まっている。被害に遭いやすい高齢者に、「毎日1回、電話やメールを」などと書かれたチラシと切手が貼付してある封筒を配布。それらを一緒に息子や娘ら宛てに投函(とうかん)してもらい、自発的な家族間の連絡を促すことで被害を食い止めるのが狙いだ。県警によると、切手も活用した積極的な試みは県内でも珍しいという。

 「息(むす)コール・娘(むす)メール」と題した対策を進めているのは、青葉署や自治会、地元企業などの35団体が加盟している青葉区振り込め詐欺対策協議会。

 振り込め詐欺に代表される特殊詐欺は、息子や娘ら親族をかたり金をだまし取る手口が多い。「被害の一因が家族間のコミュニケーション不足になっている」として、同署がその解消のために発案した。

 取り組みは5日、同署が把握している高齢者が住む区内の約3万世帯を対象にスタート。署員が「毎日1回、電話やメールをして被害に遭わないようにして」などと書かれたチラシと切手を貼った封筒を持参し、戸別訪問を始めている。

 初日は同署員約30人が約120世帯を訪問。「日ごろから連絡していれば電話の不審点に気付ける」と呼び掛けながら、チラシと封筒を手渡した。高齢者からは「実際に振り込め詐欺の電話を受けたことがある。これからは息子と密に連絡を取りたい」といった声が寄せられたという。

 対象の全戸に配るとなると切手代は約250万円。協議会の寄付金で賄うが、特殊詐欺の被害金額に比べると桁が違うという。

 同署が認知している特殊詐欺の被害件数は、1月から6月末までに16件(前年同期比8件増)で、被害総額は約1億1500万円(約1500万円増)に上る。同署の山本哲治署長は「取り組みが広がり、家族間で連絡を取り合うことにつながってほしい」と期待している。