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地獄・極楽を描いた、奈良の仏教美術展

7/11(火) 12:00配信

Lmaga.jp

現在の我々日本人がイメージする地獄や極楽。平安時代の僧・恵心僧都源信(942~1017)が説いたその世界観を、仏教美術でたどる『源信 地獄・極楽への扉』が、「奈良国立博物館」(奈良市)で7月15日からおこなわれます。

【写真】左より、国宝 六道絵 15幅より 等活地獄、黒縄地獄、阿鼻地獄、人道不浄相 絹本着色 鎌倉時代(13世紀) 滋賀・聖衆来迎寺 ※前期展示(7/15~8/6)

源信は奈良で生まれ、比叡山で修業を積みました。死後に阿弥陀如来の来迎を受けて極楽浄土へ生まれることを願う「浄土信仰」を広めたことで知られています。また、地獄と極楽の世界を誰にでも分かりやすい形で説いた『往生要集』により、人々に具体的な死後の世界を提示しました。

本展では源信の足跡とともに、彼が後世に与えた影響を関連の仏教美術約140点でたどります(うち国宝22件、重要文化財65件)。それらの中には、人間が生前の行いによって輪廻する六つの世界「六道」を描いた「六道絵」や、「地獄草紙」「餓鬼草紙」などの絵巻物、阿弥陀や菩薩衆が音楽を奏でながら往生した者を迎えに来る「来迎図」の名品が多数含まれています。

特に、滋賀・聖衆来迎寺所蔵の「国宝 六道絵」(前期展示、15幅が揃って展示されるのは11年ぶり)や、源信の故郷である奈良・當麻寺の「重要文化財 當麻寺縁起」(前期展示)、高野山の「国宝 阿弥陀聖衆来迎図」(8/22~9/3展示)は大きな話題を集めるでしょう。 約1000年前に源信によって描き出され、現在の我々にも大きな影響を与えている死後の世界を体感する絶好のチャンスです。

文/小吹隆文(美術ライター)

最終更新:7/11(火) 12:00
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