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成年後見で預金着服か 県西部の行政書士

7/11(火) 5:00配信

北日本新聞

 県西部の男性行政書士が、成年後見人契約を結んだ知的障害者の預金を着服したとして家裁の審判で解任され、県行政書士会から最も重い処分の「廃業勧告」を受けていたことが10日、分かった。同会は懲戒処分を管轄する県に、処分を求める措置請求も行った。県によると、成年後見制度==を巡る不正で行政書士の措置請求が出されたのは初めて。この行政書士は北日本新聞の取材に対し「着服はしておらず、会の処分は不当だ」と不正を否定している。

 関係者によると、行政書士は2015年9月ごろ、知的障害がある高岡市の当時40代男性の成年後見人になった。だが、言動に不信を抱いた親族が解任を求める審判を起こした結果、男性の母親の永代供養を巡り、男性の口座から実費よりも12万円多く引き出した疑いが判明した。

 行政書士は「永代供養以外に、母親の遺産に関する手続きに費用がかかった」と主張したが、家裁高岡支部は「業務上横領罪に該当する蓋然(がいぜん)性さえ高い重大な不正行為」として、昨年末に成年後見人を解任する決定を出した。行政書士は即時抗告せず、解任の決定は確定した。

 同会はことし4月、行政書士の信頼を失墜させたとして廃業勧告を行い、県に報告した。同会の大塚謙二会長は「処分は本人に聴き取りなどを行った上で判断した。あってはならない行為と考えている。研修会を開くなど、再発防止策を進めていく」とした。

 県は懲戒処分の可否を検討しているが、行政書士は「県から処分が出た場合、不服申し立ても考えている」とし、現在も業務を続けている。

 成年後見制度は年々利用者が増えており、富山家裁によると、県内では昨年末時点で約1950人が利用している。一方、制度を悪用して預金を着服するといったトラブルも少なくない。県内では不正行為が年に数件確認されているが、ほとんどが親族の後見人によるものという。


◆成年後見制度◆ 認知症や精神障害などで判断能力が不十分な人に代わって財産管理などを行う制度。親族らが家庭裁判所に利用を申し立て、判断能力の程度により家裁が成年後見人、補佐人、補助人のいずれかを選任する。大半は親族が務めるが、弁護士や司法書士、行政書士らが選任されることもある。

北日本新聞社

最終更新:7/11(火) 5:00
北日本新聞