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社説[那覇市議選 与党苦戦]正念場の「オール沖縄」

7/11(火) 7:20配信

沖縄タイムス

 任期満了に伴う那覇市議会議員選挙(定数40)で、城間幹子市政を支える与党は1議席減らし16議席にとどまった。過半数に届かない厳しい結果である。

 一方、野党の自民党は4から7に議席を伸ばした。来年の知事選に向け、一定の弾みにはなったが、4年前の10議席以上には遠く及ばず、少数野党に変わりはない。

 公明党7人を含む17人は、是々非々で中立の立場を取っている。議会運営を巡っては、中立がキャスチングボートを握ることになりそうだ。

 今回の選挙は、与党が単独で政策を進めることができないことを意味する結果である。城間市長は、中立や野党の理解を得るためにこれまで以上に説明と努力が必要となってくるだろう。

 那覇市議選が注目されたのは最大の有権者を抱える県都の戦いで、来年の名護市長選、県知事選につながるとみられているからだ。

 象徴的だったのは「オール沖縄」のさきがけとなった保守系会派「新風会」が議席を減らし、共産党が議席を大きく伸ばしたことである。「オール沖縄」から保守系がこぼれ落ちた格好だ。

 「オール沖縄」は革新層を基盤に、保守系議員が保守層や経済界を取り込んでいくのが基本構図だ。革新色が強くなれば、保守層への広がりがしぼむ可能性がある。

 「オール沖縄」の内部で何が起きているのか。冷静に分析し、態勢の立て直しを早急に図る必要がある。

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 今回の選挙で翁長雄志知事の次男、雄治氏(30)が4千票余りを獲得し、2位で初当選したことは城間市政を支えることにつながるが、新風会のシンボル的存在だった金城徹元議長(63)が次点で落選したことは、内部の亀裂を深めることにもなりかねない不安要素である。

 選挙の結果について城間市長は「非常に厳しく、残念だ」と語った。市長就任後、初めての選挙は城間市政への中間評価の意味合いもある。

 城間市長が政策の「一丁目一番地」に掲げる待機児童解消は道半ばである。

 この4月、入園できなかった児童が640人いた一方で700人の定員割れが生じるなど立地条件と保護者のニーズのミスマッチが問題になったばかりだ。

 気になるのは、合意形成の在り方である。久茂地小跡に予定されている「新文化芸術発信拠点施設」など大型プロジェクトを巡っても、地元から問題が指摘されている。城間市長の前には政治的にも政策的にも難題が横たわる。

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 投票率は戦後最低の51・20%だった。18歳以上の2人に1人が棄権したのは残念である。有権者の自覚が求められる数字である。

 当選した議員らの選挙公約には子どもの貧困問題や子育て支援、待機児童解消などが並ぶ。城間市政と共通の課題も多い。

 地方行政は住民から選ばれた首長と議会の二元代表制である。議会は市執行部をチェックする責務を果たしながら、市民目線に立ち公約実現に力を尽くしてほしい。

最終更新:7/11(火) 7:20
沖縄タイムス