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[プレミアリーグEAST]“勝負の肝”を逃さないチームへ変わってきた市立船橋。内容にようやく結果伴い、今季初勝利!

7/11(火) 7:50配信

ゲキサカ

[7.9 高円宮杯プレミアリーグEAST第8節 市立船橋高 1-0 京都U-18 グラスポ]

 9日、高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯U-18サッカーリーグ2017プレミアリーグEASTの第8節2日目が行われ、市立船橋高(千葉)対京都サンガF.C.U-18(京都)戦はMF有田朱里(3年)の決勝ゴールによって市立船橋が1-0で勝利。待望の今季初勝利を挙げた。

 これまでも内容が悪かった訳ではない。朝岡隆蔵監督は「ゲームの中身とか質に関してストレスは無い」と語っていた。U-18日本代表の左SB杉山弾斗主将やGK長谷川凌、FW福元友哉(全て3年)という注目タレントのほか、悔しい思いを経験しながらチームの軸に育ってきた有田、MF平川孟人、MF桧山悠也、右SB吉田歩未といった3年生、素材揃う2年生たちが試合では質の高いサッカーを表現。力があるところを随所に示していた。

 それでも遠かった1勝。相手を上回るような試合をしても「勝負の肝になるところは甘い。あっさりやられちゃう」(朝岡監督)部分が顔を出し、そのまま敗れてしまっていた。その名門が想像以上に時間をかけながらも、開幕8試合目でようやく積み上げた勝ち点3。「勝負のさじ加減が理解されてくれば、良くなるかなという印象だった」(朝岡監督)というチームは、1-0で迎えた終盤にバタバタしてしまった部分、失点に繋がってもおかしくないような緩いプレーもあったが、1点を守りきり、間違いなく今後に繋がるであろう白星を勝ち取った。

 この日の対戦相手は今季、プレミアリーグWESTからEASTへ戦いの場を移している京都U-18。アウェー戦の殆どが関東以東という過酷な移動に加えて、未知なるEASTの強豪との戦いとなっているが、その中で3勝4敗と着実に勝ち点を積み上げてきている。

 岸本浩右監督も「アウェーは全部遠征ですから、この子達にとっては良い経験になっている。精神的にタフになったと思います」と語るEASTでの初シーズン。この日はCB江川慶城(3年)が出場停止で、けが人も多くいる状況。それでも選手たちは指揮官が「毎試合勝ちたいという気持ちを全面に出してくれる」という戦いを見せる。

 互いにボールを持った際はポゼッションから相手の守りを揺さぶって穴を開けようとしていた。その中で市立船橋は京都U-18の“キーマン”U-17日本代表MF福岡慎平(2年)を厳しくチェックするなど自由にボールを運ばせない。京都U-18はFW財前淳(3年)が起点になって攻め、U-17日本代表MF上月壮一郎(2年)が縦への突破を狙うシーンもあったが、「前からのディフェンスが噛み合わなくなった」(岸本監督)ことで徐々に守備の時間が長くなってしまう。

 市立船橋は最終ラインから前線の有田や福元、中央で再三フリーになっていたU-17日本代表MF井上怜(2年)にボールが入るシーンが増加。彼らの仕掛けやコンビネーション、前半たびたび攻め上がっていた杉山のアーリークロスなどから得点チャンスを作り出した。

 だが、その前に京都U-18の守護神、U-18日本代表GK若原智哉主将(3年)が立ちはだかる。34分には相手のスルーパスを守備範囲広い動きでクリア。39分にも福元のスルーパスから有田に抜け出されたが、1対1のピンチを阻止し、47分には右サイドを打開してきた福元のシュートを足でストップする。

 逆に後半立ち上がり、サイドを活用した攻撃を見せた京都U-18が先制のチャンスを迎える。PAへ侵入した上月が背後からファウルで倒されてPKを獲得。これを上月が右足で左隅へ蹴り込むが、完全に読み切っていた市立船橋GK長谷川が枠外へと弾き出す。

 守護神の“神セーブ”で大ピンチを逃れた市立船橋は直後の6分、左サイドから仕掛けたFW松尾勇佑(2年)がPAに侵入。DF2人の間を強引に割って入り、さらにカバーした相手選手に一度ボールを奪われかけながらも失わず、強引に縦へ持ち込んでラストパスを送る。これをゴールエリアまで潜り込んでいた右MF有田が右足ダイレクトでゴールへ押し込んで市立船橋が先制した。

「前半、チャンスがいっぱいあって自分が外しちゃっていて、後半になってハセ(長谷川)がPK止めてくれてこれはやるしかない、自分が決めるしか無いと思ってゴールを取りに行きました」という有田の殊勲の一撃。先制点を大喜びした選手たちはその後、ボールを保持しながら試合をコントロールする。

 前半に比べて守備面が改善された京都U-18もMF杉田迅(2年)がボールを引き出しながら反撃。PAへ飛び出したMF橋本尽(3年)へラストパスが通ったほか、ボランチの位置から攻め上がった福岡がPA付近でチャンスに絡むなど市立船橋ゴールを脅かす。

 市立船橋は平川や桧山、吉田らが身体を張り、U-17日本代表DF橋本柊哉と余合壮太(ともに2年)の両CBも我慢強い守り。後半44分に交代出場のU-17日本代表MF郡司篤也のスルーパスからU-16日本代表FW西堂久俊(ともに2年)が抜け出したシーンはGK若原に阻まれてしまったものの、直後に福岡の決定的な一撃を長谷川が身体全体で防ぐなど、最後まで1点を許さなかった。

 初勝利を挙げた市立船橋だが、朝岡監督は「頑張り切ったは切ったけれど、あそこで削ぎながらやらないと。そこは自信の無さだから」と試合終盤の戦いについて指摘。1-0となった後、前掛かりになる相手に対して試合をコントロールしながらも、チャレンジする回数が減り、2点目を奪うことができなかった。

 それでも、勝負どころで失点しなかったことなど前向きな部分も多かった初白星。杉山は「(前節の)レイソル戦から上向きになってきた感じはあるので、形が見えてきた。(勝ったことで)前向きに行くことはできますね」と語った。名門校にとって絶対に落とすことのできないプレミアリーグ。徐々に“勝負の肝”を逃さないチームへ変わってきた市船は次節(対横浜FMユース)も必ず勝利して最下位から脱し、より良い状態で連覇を懸けたインターハイに臨む。

最終更新:7/11(火) 10:32
ゲキサカ