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英保守党議員、人種差別表現で役職解任

7/11(火) 12:08配信

BBC News

英保守党の下院議員が、ブレグジット(英国の欧州連合離脱)に関するイベントで発言中に、黒人に対する人種差別的表現を使ったことが明らかになり、役職を解任された。

英南西部ニュートンアボット選挙区で2010年以降3回当選のアンマリー・モリス議員は、欧州連合(EU)との間に適切な合意のないままEUを離脱するのは英国にとって不利だと語る際に、比喩として有色人種をおとしめる差別表現を使った。

議員はBBCに対して「まったくそんなつもりはない発言だった。不快に思われたとしたら、全面的に謝罪する」と話した。

保守党は後に、議員を院内幹事の役職から解任したと確認した。

テリーザー・メイ英首相は、議員の「まったく受け入れがたい」言葉遣いに「ショックを受けた」と述べ、「幹事長にただちに院内幹事を謹慎処分にするよう、指示した」と表明した。

「このような言葉遣いは、政治および現代社会にまったくあってはならないものだ」

首相は、独ハンブルクで開かれた主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)について下院に報告した後、ギャビン・ウィリアムソン保守党幹事長と協議した。

「ハフポスト」が掲載した動画では、モリス議員は英シンクタンクがロンドンで開いたイベントで、ブレグジットが英金融サービス業界に与える影響について話していた際に、問題の表現を使った。ほかにも下院議員が数人出席していた。

ブレグジットで影響を受けるのは金融サービス業界のわずか7%に過ぎないと述べた議員はさらに、「それに反論する人も大勢いるだろうが、私はそれに対して、詳細を見てくださいとお答えするしお願いする。決して暗いひどい話ばかりではない」と続けた。

その上でモリス議員は、「本当の、隠れた問題なのは、合意のないままだと2年後にどうなるかです」と述べた。この「隠れた問題」を意味する比喩として、「nigger in the woodpile」という表現を使った。「積み上げた薪(たきぎ)の中の黒人」を意味し、黒人に対する侮蔑表現「nigger」を使うこの慣用句は、19世紀の米南部発祥。北部へ逃れる奴隷たちが身を隠している様子を表したものとされる。

20世紀になるとこの表現は、物事の破綻につながりかねない隠れた問題を意味する表現として、小説などでも使われるようになった。

自由民主党はこの発言を受けてメイ首相に、モリス議員を院内幹事から解任するよう求めていた。

ティム・ファロン党首は「ショックだ」と述べ、謹慎処分を呼びかけた。

「このおぞましい発言は、ジム・クロウ法(黒人差別を正当化した米国の法律)時代のもので、我々の議会にあってはならない」とファロン氏は協調した。

労働党のアンドリュー・グウィン議員は、モリス議員の発言が「言語道断でまったく容認しがたい」と非難した。

緑の党のキャロライン・ルーカス党首は、モリス議員に議員辞職を求め、スカイニュースに「彼女は下院にいるべきではない」と述べた。ルーカス氏はさらに、同じイベントに同席していた他の保守党議員たちが、モリス氏の発言に「ぴくりとも反応しなかった」と主張し、「このような発言はその場でただちに非難するべきもの」と保守党内で取り決める必要があると指摘した。

保守党のハイディ・アレン議員はツイッターで、「残念ながら謝罪だけでは不十分だ。人種差別は一切まったく容認しないという態度を示さなくては。下院議員は手本とならなくてはならない」と書いた。

同様に保守党のヘレン・グラント議員も、「あの表現を使う下院議員が、その歴史的背景や影響を知らず、あの表現がまったく受け入れがたいことを知らないわけがない。まったく恥ずかしい!」とツイートした。

英議会では2008年にも保守党の貴族議員で広報本部長だったディクソン=スミス卿が同じ表を貴族院で使い、後に「自分の脳みそを置き忘れてきてしまった」と謝罪した。役職は解任されなかった。

(英語記事 MP Anne Marie Morris suspended for racist remark)

(c) BBC News

最終更新:7/11(火) 12:16
BBC News