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稀勢の里 復活Vどころか休場危機 黒星先行2敗…3つ目金星献上

7/12(水) 5:00配信

デイリースポーツ

 「大相撲名古屋場所・3日目」(11日、愛知県体育館)

 左上腕部などの故障から復活を期す横綱稀勢の里(31)=田子ノ浦=は、平幕栃ノ心に寄り切られて2敗目を喫し、自身3つ目の金星を献上した。3日目で早くも2敗となり、2場所ぶりのV奪回はおろか、休場危機に追い込まれた。患部の左腕に力は入らず、相撲内容も改善の兆しが見られない。4日目の正代戦への出場意欲を見せたものの、2場所連続となる途中休場が現実味を帯びてきた。新大関の高安は小結琴奨菊を突き落として2勝目を挙げた。

 考え抜いた稀勢の里の立ち合いも無残に散った。右差しの栃ノ心と差し手争い。今場所初めて左足から踏み込み、なりふり構わず左を差しにいった。結果は最悪だった。左は封じられ、前みつをガッチリ握られた。

 頭を付けられ、怪力でぐいぐい締められた。棒立ちで何もできない。土俵際、右からの突き落としも、力なくあっさり土俵を割った。うなだれる横綱の大銀杏(おおいちょう)に館内を舞う座布団が直撃した。

 栃ノ心には過去16勝8敗ながら、最近は2連敗していた。朝稽古でも入念に左からの攻めを意識した立ち合いを確認。だが伝家の宝刀、左おっつけが出せない状態では勝負にすらならなかった。

 初日の御嶽海が見せた“稀勢の里攻略法”は今後も繰り返される。3つ目の金星献上ながら出続ければ、まだ増えるだろう。支度部屋では険しい顔で「すー」「うん」「あー」「わー」「チェッ」と、質問に上の空の擬音語で返した。

 3日目までに2敗を喫し、優勝した例は平成以降では12年夏場所の旭天鵬のみ。復活Vロードは極めて厳しくなった。

 八角理事長(元横綱北勝海)は「苦しい場所になった。押し込んでからの左差しができていない。乗り切っていけるか?あしたからと(気持ちを切り替えて)勝って続けていくしかない。苦しいところを勝っていかないといけない。強気でいくしかない」と、気持ちの立て直しを求めた。

 横綱が出場を決めた以上、簡単には引き下がれない。2場所連続途中休場となれば、進退問題にも話は及びかねない。4日目は東前頭筆頭の正代が相手。相撲巧者だけに手負いの体には難敵だ。

 敗戦には珍しく最後に言葉を口にした。「しっかり、あしたはあしたでやりたいですね」。追い込まれたのは稀勢の里本人が重々承知している。逆襲か力尽くか-。土俵際で横綱の真価が問われる。