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中国人の出国10年で3倍、外国人の入国はわずか年1%増、中国の観光地に魅力なし?

7/12(水) 6:10配信

ZUU online

中国のシンクタンク「全球化智庫」とネット旅行会社「携程旅行網」が合同して『出入国旅行者から見る中国の世界的発展』と題するレポートを発表した。

全球化智庫(2008年設立・北京)は、世界的視野で国際問題を研究、献言する先進的シンクタンク、携程旅行網(1999年設立・上海)はネット旅行最大手、2016年の売上192億元(約3200億円)従業員2万5000人を誇っている。

データ元としては信頼できるチームである。そこにはどんな分析が示されているのだろうか。

■出国旅行者は3倍に

データの収集期間は2005年~2015年までである。この間、中国大陸住民の出国者数は312.9%、3倍以上に増加した。2016年には中国大陸出国旅客の占める割合は、世界の10%近くに上昇している。

さらに世界各国が歓迎しているのは、中国人観光客の消費支出である。2016年、中国大陸からの出国旅客の国外消費総額は、2610億ドルに達している。これは米国旅客消費総額の2倍であり、世界の旅行消費総額の20.9%を占めている。

米国のある研究によると、2014年の中国人の平均旅行支出は、一人当たりGDPが7倍の英国人と同じであった。翌2015年には、一人当たりGDP10倍のデンマークと同じであった。

■中国人観光客、南極、北極でも存在感

国際南極旅行業協会のデータによると、2017年の南極観光客は、中国がオーストラリアを追い越し2位となる。合計4万6000人のうち、米国が3分の1を占め断トツ、中国は2位で12%を占めた。

北極でもロシア北極地区観光でも中国人は最大のグループである。またフィンランドのラップランド地方の中国人観光客は、2016年に92%増を記録している。

またロシアにおける外国人観光客数でも、2014年に中国はドイツを上回り1位となった。また日本、韓国、ベトナム、シンガポールなどアジア諸国においても、最大の観光客供給源となっている。

■インバウンドはさっぱり

一方で中国を訪れる観光客は、思い通り伸びていない。2005年~2015年までの11年間で、中国に入国した外国人は11.2%しか伸びていない。年平均にすればたった1%である。これに対して、発展途上国でも38,9%、新興国(BRICSのレベル)で57.2%伸びている。さらにアジア太平洋地区の平均伸長率は81.3%である。

2015年に中国に入国した外国人旅客は2598万5400万人である。しかしその相当部分は華人である。出国は5762万600万人で、2015年の旅客数量は3000万人を超す“赤字”である。このままの趨勢では5年後には1億人を超す赤字となる可能性がある。

■問題の所在はどこに?

なぜ外国人を吸引できないのだろうか。それには他国の人民に働きかけ、中国に対する理解、認識を深めることが重要だ。さらに国際イメージを上げ、文化力などソフト面の実力も重要だ。中国は世界第二の経済体で国土面積も第三位だ。悠久の歴史文化と発達した現代都市を合わせ持っている。それらを総合して外国人を引き付ける魅力を十分発揮できていない。それはなぜだろうか。

まず外国人観光客に対する宣伝モデルができていない。外国人へのビザ発給と関係する政策との整合性に問題が多い。不必要な管理や制限が残っている。そのため観光サービス業の国際化、正規化、透明化して、外国人旅行者の個人権益を保障する。公共設備を充実して、旅程の無障害化を図るべき。などを提言している。最後に世界の観光業は発展は急で、各国の産業の柱となっていると結んでいる。

最大の問題は正規化、透明化を推進することだと思うが、その前にまず、よそ者はカモであり、騙してなんぼという伝統思想から改革していかなければならないそれには日本の観光業に学ぶのが最も早そうだ。実際、中国各地にある旅游学校(観光専門の高校)は、昔から日本研修を続けている。

しかし学校の主目的は生徒からのピンハネである。しかも人数の限られている分、彼らによる好影響も限られているようだ。前途は多難と言わざるを得ない。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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最終更新:7/12(水) 6:10
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