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米国新車販売は前年比で減少?一因は「リース」終わった自動車の過剰供給か

7/12(水) 6:20配信

ZUU online

2017年の新車の販売台数予想が1710万台と、昨年の1755万台から減少する見込みであることが、全国自動車販売業協会(NADA)の分析から明らかになった。

これは季節調整した結果を年率に換算した場合の数値。

2016年の米国自動車市場は労働市場の安定、ガソリン価格の低さ、消費意欲などが後押しとなり、過去最高の新車販売台数1755万台をを記録した。

今年も快進撃が続くことが期待されているが、オフリース車(レンタカーとして数年間使用された中古車)の過剰供給など、市場では新車の需要を押し下げる要因が懸念されているようだ。

■リース車のツケ 高級セダンの叩き売り開始?

実際には市場では過去4カ月にわたり売上が低迷しており、特典などで購買意欲を促進する誘因戦略が過熱ぎみであることや在庫水準の高さが、ウォール街に懸念を生じさせている(CNBCより)。

また今後消費者の関心が、新車に近いオフリース車へ移行するとの見方もでている 。

USA TODAY の報道から一例を挙げると、日産が米国で販売している高級セダン「インフィニティ Q50 」は、2014年に2万8000台がリース契約で市場に出回った。成長中の米自動車市場を加速させる意図で、総販売台数の3分の1を上回る数が月額329ドル(約4万8294円)という超低価格でリースされたケースもあるそうだ。

当然ながらリース車には契約期限がある。これらのリース車が「低走行距離で手入れの行き届いたほぼ新車」として、2016年から大量に市場に逆流し始めている。米国の中古車評価機関、オートモーティブ・リース・ガイドの調査によると、その数は2016年で300万台に達しており、2017年はさらに350万台が出回ると予測されている。

米国の消費者間でピックアップやSUVへの移行が続く中、特に大量の高級セダンが供給過剰な状況を引き起こすことは疑う余地がなさそうだ。そうなれば驚くほどの低価格で叩き売りされる可能性が高くなることは、北米トヨタのジム・レンツCEO も認めている。

■安心技術を採用した新車に惹かれる消費者

こうした懸念を物ともせず、NADAは快進撃が若干失速するものの、2017年も1700万の壁を超えると見込んでいる。

4月に開催された四半期決済説明会で、チーフ・エコノミストのスティーブン・スザカリー氏は、「消費者インセンティブ(特典などで購買意欲を促進する誘因戦略)が新車の売上を低迷させる要因を上回る」とし、ネガティブな影響力は小さいと述べた。

消費者間で最新の安全技術を採用した新車への需要が高まっている点も、新車の売上に貢献する要因として挙げている。安全技術の開発は日々進化を遂げている。最新のテクノロジーで安全運転を支援するシステムが搭載されている車の多くは、中古車で見つけることが困難だ。

リース車の過剰供給に関してはスザカリー氏も注意を払っており、セダンの価格を押し下げる可能性に同意しているものの、総体的に2017年は快進撃が続き、2018年に1680万台、2020年にかけて1650万台から1680万台に緩やかに後退して行くとの見解だ。

利上げによるオートローン市場への影響も、時間の経過と共により鮮明に市場に反映されるだろう。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

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最終更新:7/12(水) 6:20
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