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日本のモバイル決済の利用率はわずか6% 男女でも大きな差

7/12(水) 6:50配信

ZUU online

コンビニでのちょっとした買い物などでスマートフォンや携帯電話を使って支払うモバイル決済は、細かい小銭の出し入れが不要となり、利便性も高い。技術先進国の日本は世界に先駆けてサービスがスタートしたものの、その利用はあまり広がっていないようだ。日本銀行が2017年6月に発表した「モバイル決済の現状と課題」のレポートによると、2016年11月時点の携帯電話やスマートフォンにモバイル決済の機能が付いているという人の割合は42%だが、実際にモバイル決済を利用する人はわずか6%にとどまるという。日本のモバイル決済を巡る利用状況と、世界のトレンドに着目する。

■40代の利用が最多、20代女性の利用は進まず

モバイル決済の利用状況には、年代や性別、地域性に大きな特徴がみられる。日銀のレポートでは、世代別のモバイル決済を店頭で利用している人の割合は、意外なことに40代の利用率が16%と最も高く、最先端のスマホなど新しい機器をすぐに使いこなす20代の利用率(12%)を上回った。40代以降は、年齢の増加とともに、モバイル決済の利用割合は下がり、モバイル決済そのものの機能を認知していない割合が増加する。

男女別の利用率に着目すると、どの世代においても男性の方がモバイル決済を積極的に使いこなしている。特に20代では、男性の利用率が約20%に対し、女性の方は4分の1程度の約5%にとどまる。男性は30代、40代のモバイル決済利用率は20代と同じ水準で、いずれも同年代の女性の利用率を大きく上回っているのが特徴だ。さらに、地域別では、関東の利用率が15%超と全国で最も高い一方、北陸は約5%の利用にとどまる。モバイル決済を使用しない理由としてセキュリティや端末を紛失した時の安全性への不安が最も高く、若い女性ほど、モバイル決済に対する不安を強く感じ、利用が普及していないとみられる。

■先進国低い利用率、新興・地上国では普及拡大

日本でモバイル決済が導入されたのは2004年と世界的にも早かったが、普及は今一つ伸び悩む。一方、他の国に目を向けてみると、日銀のレポートでは、アメリカは2015年に5.3%、ドイツは2014年に2%という。データーが少し前のため、足元の利用率がアップしている可能性はあるが、日本同様に普及率はそれほど高くない。アメリカではモバイル決済より、現金やカードでの支払いが簡単として好まれ、ドイツでは、モバイル決済の必要性が認識されていないことが、普及が進まない主な要因だ。

先進国では、技術革新とは裏腹に浸透しないモバイル決済だが、新興国や途上国では真逆のトレンドを示す。例えば、同レポートによると、ケニアでは携帯電話の加入者のうち約76.8%、中国の都市部の消費者を対象にした調査では回答者の98.3%が過去3ケ月の期間にモバイル決済を利用したという結果が紹介されている。

特に、途上国では、銀行のインフラ整備が進んでおらず、銀行口座を持たない人も多いため、その受け皿としてモバイル決済が急速に拡大している。途上国の貧困層にとっては、送金などの手数料の負担は重く、モバイル決済による相対的に割安な手数料も利用を後押しする。また、不安定な治安から、店舗などで現金を保管したり、現金を移送したりする際に、強盗や窃盗に遭うリスクも高く、モバイル決済はこうしたリスクを軽減するのにも一役買い、普及が広がる要因の1つとして挙げられる。

■日本電子マネーが存在感

整備された銀行インフラ、世界でもトップクラスの治安の良さと、モバイル決済が進む途上国とは違った環境に加え、日本でモバイル決済の台頭を阻む1つの要因としては、楽天EdyやWAON、Suicaなど、カード型のキャッシュレス決済手段である電子マネーの利用率が高いことにある。日本の電子マネーの利用額(2015年)は390億ドル(約4兆3700億円)と世界で最も多く、電子マネーのほかクレジットやデビットカードなど決済用カードの保有枚数は1人平均7.7枚とシンガポールに次いで多い。

すでに決済用カードを複数枚所有している人が多い日本では、モバイル決済の利便性が電子マネーより格段に上がらなければ、モバイル決済が電子マネーを凌駕するのは厳しいかもしれない。(ZUU online編集部)

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最終更新:7/12(水) 6:50
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