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<北朝鮮>広がる楽観論 中朝貿易関係者「2年で制裁緩和」

7/12(水) 7:00配信

毎日新聞

 【ソウル米村耕一】厳しい制裁が続き国内外で事業を行う北朝鮮住民への打撃が広がる中、中国などに住む北朝鮮ビジネスマンの間で「あと2年、持ちこたえれば(北朝鮮にとって)国際情勢は有利になる」との見方が広がっている。核兵器の小型化や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の完成度を高めることで米国などが交渉に応じ、2年後には制裁緩和などの局面転換につながるとの期待感を朝鮮労働党などが広げている可能性がありそうだ。複数の中朝貿易関係者が証言した。

 関係者によると、強化される経済制裁は北朝鮮住民の生活には、じわじわと影響を及ぼしている。中国に住む北朝鮮国民は銀行口座を開くことができないため、中国朝鮮族の知人の名前を借りるケースが従来一般的だったが、中国政府が制裁を強める中で「名義貸し」を断られることが多くなった。また、例外的に口座を開けた一部の銀行でも今年に入り、できるのは預金引き出しのみとなり、預金の預け入れや振り替えはできなくなったという。

 また、北朝鮮国内でも、中国が昨年11月の安保理決議に従って石炭輸入を制限していることによる影響が拡大している。中国への輸出に外貨収入を頼っていた個人炭鉱主や労働者に不満が広がっているほか、トラック運転手たちも大打撃を受けている。北朝鮮でトラック運転手は国内炭鉱から石炭積み出し港がある南浦まで石炭を運ぶと1日50ドル(約5700円)の収入を得られる「高給取り」だったが、そうした収入が4月以降、ほぼゼロになったためだ。

 中国内に展開する北朝鮮レストランも、売り上げの一部のほか、合弁相手の中国企業から北朝鮮従業員に支払われる月給3000~4000元(約5万~6万7000円)のうち2000元程度が、北朝鮮の党・政府機関の外貨収入源になっていたが、北京の外交関係者によると廃業する店が加速度的に増えているという。

 こうした中で北朝鮮当局は、2年程度は国内の不満も抑えられると見て、まずは核やICBMの完成度を高め、その後に米国などとの交渉で局面打開を図るとの戦略を描いている可能性がある。北朝鮮メディアによると、平壌では今月6日、ICBM発射を祝う大規模集会が開かれ、張昌河国防科学院長が「科学者たちは米国が白旗を揚げてひざまずく日まで、核の宝剣を一層、強化する」と語った。

最終更新:7/12(水) 7:00
毎日新聞