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公取委はついにメス 芸能界「奴隷契約」それぞれの言い分

7/12(水) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 SMAP独立騒動のみならず、芸能人の移籍や独立をめぐるトラブルが相次ぐ中、公正取引委員会が重い腰を上げた。NHKによると、公取委は大手芸能プロなどを対象に、独禁法に抵触するような不公正な契約が結ばれていないか、調査を始めたというのだ。

 タレントと芸能プロとの契約問題は、今年2月に女優・清水富美加(22)の「幸福の科学」への出家騒動があった際にも取り沙汰され、新聞や週刊誌には「奴隷契約」との見出しが躍った。先月も、モデルで女優の西山茉希(31)が所属事務所について「デビューから13年、昇給なし」「妊娠中に給料を半額にされた」「2月から未払い」などと女性誌で告発、事務所社長が真っ向から反論するなど、トラブルは後を絶たない。芸能リポーターの城下尊之氏が言う。

「タレントと芸能事務所には、サラリーマンと会社のような雇用契約はまずありません。契約内容はさまざまですが、ほとんどがタレントと事務所はどちらも対等独立の事業者とし、マネジメントなどで業務委託契約を結んでいる。今は業界団体である日本音楽事業者協会の作成した『専属芸術家統一契約書』が契約書のひな型として定着しつつあり、きちんと明文化していく流れにはなっていると思います。ただし、全てじゃない。大昔ですが、大手事務所も移籍を認めず、辞めるなら引退するよう普通に勧告していた世界だということもあり、契約が口約束だけというようなのがいまだに出てきてしまうんですね」

■事務所のサポートがあったからこそ?

 それは芸能界の仕事に明文化しにくい部分があるからかもしれない。ある芸能プロ幹部が言う。

「大物演歌歌手が独立した際、長く所属した大手芸能プロとモメたことがある。歌手にしてみれば、長く所属し、もう十分、事務所も儲けさせたのだから奴隷状態を解放しても文句はないだろうというのだが、事務所の言い分は違う。例えば地方興行や営業で、興行主と仕事をするなかで、何かあると事務所に呼び出し、社長が灰皿を投げつけたりしてやり合ってきた歴史がある。そうした事務所の庇護や威光があったからこそ、歌手は安全に仕事ができ、大物と呼ばれるほど長くやることができているわけだ。そうした裏の部分のサポートを差し置いて、ある日サヨナラでは通らない」

 売れっ子にするまでのボイストレーニング代や衣食住のサポートもあり、「五分五分では割り切れない」という事務所関係者は少なくない。西山茉希の騒動でも、事務所社長は運転手付きの送迎や高級家具購入まで手厚くサポートしてきたと言い、「奴隷というならこっちだ」と訴えていた。

 とはいえ、一方のタレント側からも「何年もノーギャラでこき使われた上、高級マンションの家賃も社長が未払いで、肩代わりさせられた」といった証言がゾロゾロ。しかし、もう時代はやくざや興行師が蠢いていた昭和ではない。芸能界もこの機会に進んでウミを出し、徹底的に明るみにすべきだ。