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世界遺産に決定の沖ノ島 地元が8資産認定を求めた理由

7/12(水) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 福岡県宗像市の沖ノ島がユネスコの世界遺産に認められ、ビッグニュースになっている。正式名称は「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」で、計8資産が認められた格好だ。

 沖ノ島は玄界灘に浮かぶ小さな島で、近くに「小屋島」など3つの岩礁がある。今年5月、ユネスコの諮問機関「イコモス」は沖ノ島と岩礁の4資産のみを認め、宗像大社など4資産を除外する条件付き勧告を出した。それを宗像市など日本側がユネスコ代表部などを通じて一括登録するよう働きかけた。その甲斐あって8資産すべてが認められたわけだ。

 このニュースに旅行業界も期待している。「西鉄旅行」(本社・福岡市)では国内推薦候補となった一昨年、宗像大社などを回る日帰りバスツアーを企画した。

「料金は7980円で、冬だったせいか催行率は2割止まりでした。世界遺産と認められ、この夏は本格的にお客さんが集まると期待しています」(商品企画部)

 とはいえ、沖ノ島は神が宿る聖域のため女人禁制。男であっても立ち入りは許されず、島で見聞きしたことを口外してはならないといった厳格な掟がある。

 そのため観光客は沖ノ島に上陸できず、宗像市の神湊から船で大島に渡り、そこから海の彼方の沖ノ島を遥拝する。宗像市は「世界遺産になってもこの方針は変わりません」(世界遺産登録推進室)という。

「だからこそ地元は8資産の認定が欲しかったようです」とは地元在住のジャーナリストだ。

「沖ノ島と岩礁だけでは観光客は自由に上陸できない。単なる海の孤島だから観光などの商売にならないのです。だけど今回の決定で宗像大社や新原・奴山古墳群などの価値が高まったため、全国から人が詰めかけるでしょう。宗像市のホテルや旅館、飲食業、土産物屋はホクホクです」

 粘り強い交渉が報われたといえそうだ。