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再び“休場ピンチ”の稀勢に元三重ノ海・石山氏「自分と戦っている状態」

7/12(水) 16:56配信

夕刊フジ

 栃ノ心の寄りに力なく土俵を割り、1勝2敗と黒星先行。再びの休場ピンチに、支度部屋に戻った稀勢の里はぶ然とした表情で報道陣の質問に「あー」「うーん」と生返事を繰り返した。

 言葉になったのは、「あしたから、しっかりやるだけ」と蚊の泣くような一言だけだった。

 勝って当たり前、負ければボロくそ。そんな横綱の厳しさは、横綱になった人でないとわからないかもしれない。

 30歳で綱を取った稀勢の里同様、31歳5カ月の遅咲き横綱だった三重ノ海は昇進2場所目に14勝1敗、3場所目は全勝で連続優勝した。しかし、その後はけがに泣き在位8場所で、皆勤はわずか4場所しかなかった。

 その元三重ノ海の石山五郎氏(相撲博物館長)は、稀勢の里の気持ちは痛いほどわかるようだ。「人に頼れるわけではない。“絶対勝てる”と自分に言い聞かせるしかないし、いつまでも、けがのせいにもできない。稀勢の里は土俵の上の相手だけでなく、自分と戦っている状態だろう」

 初日御嶽海、2日目貴景勝と若いイキのいい相手が続いた後、この日の相手は握力が左右とも90キロ以上という怪力で、まわしを取ったら無類の力を発揮するベテランの栃ノ心だった。

 「けんか四つの栃ノ心に左を差し勝てれば見通しは明るい。やりにくい相手ではないだけに、もし差し負けたりすると、この先かなり厳しい」と石山さんは見ていた。

 結果は悪い方に出た。立ち合い、左がのぞいたが、右で絞って差し手を殺し、そのまま前みつを取って頭をつけた栃ノ心の寄りに、なすすべがなかった。

 「右で(左差しを)許さなかったからね。あとはどんどん前に出た。うれしいよ。結びで横綱に勝ったのは初めてだから」と、31本の懸賞を分捕った栃ノ心が喜ぶまいことか。初日も御嶽海が46本の懸賞を手にしている。「稀勢の里戦はおいしいぞ」と思われてはおしまいだ。

最終更新:7/12(水) 16:56
夕刊フジ