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拳銃の在りか嗅ぎつけた“ハイブリッド犬”の並外れた能力

7/12(水) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

「刑事犬カール」も顔負けのお手柄だ。

 警視庁は自宅に回転弾倉式拳銃1丁と32口径の実弾5発を保管所持したとして、指定暴力団住吉会系組員の間瀬伴紀容疑者(32)を銃刀法違反(加重所持)の疑いで逮捕した。床下にあった「証拠品」を嗅ぎつけたのが警察犬「ムーンロケット号」で、ラブラドルレトリバーの3歳のオス。

「間瀬の自宅は30坪の木造2階建てで、捜査員がムーンロケット号を連れて1階を捜索していたところ反応したため、床下を調べたらビニール袋に入った拳銃と実弾が出てきた。ムーンロケット号は薬物と銃器を捜索できる“ハイブリッド犬”で、火薬の臭いに反応したようです」(捜査事情通)

 日本警察犬協会の担当者がこう言う。

「警察犬は遺留物を見つけても吠えず、その場に座ったり、伏せをして指導者を待ちます。警察犬が口でくわえたりして臭いがつくと、証拠品にならなくなる可能性があるから。警察犬には警察で一から飼育管理する直轄警察犬と、民間でやる嘱託警察犬がいます。警視庁の警察犬はすべて直轄警察犬。銃器と薬物の臭いを嗅ぎ分けるには相当な能力の高さが求められ、直轄でないとそこまで訓練するのは難しい。ですから、そんなに数は多くいません」

■“一人前”の警察犬まで2年

 警察犬は全国に約1300頭いるといわれ、9割がシェパードで残りはドーベルマンなど、ほぼすべて洋犬だという。

「体力的なことはもちろんですが、現場で犯人に出くわす可能性もあるので、大型犬でなければ威嚇になりません。その点、シェパードは安定した能力がある。まず1歳ぐらいから『座れ』『待て』など服従訓練を始めます。その後、遺留物を袋に入れて臭いを別の布に移した上、さらに他の人の臭いをつけ、5つの布から嗅ぎ分けさせる臭気選別や、犯人の逃走経路を追う足跡追及の訓練を行い、途中に遺留物を置いたりします。最後は犬を革製のムチで威嚇し、ひるまずに犯人に噛みついて確保できるかという訓練です。一人前の警察犬になるまで2年ほどかかります」(前出の日本警察犬協会担当者)

 飼い主に忠実で不祥事も起こさず、頼りになる存在だ。