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カリブ海から湖国に フランス海外県マルティニーク島の学生が滋賀で就業体験 /滋賀

7/12(水) 10:54配信

みんなの経済新聞ネットワーク

 カリブ海のフランス海外県マルティニーク島から9人の学生が滋賀県にインターンシップ生として来日して現在、さまざまな職場で就業体験を行っている。(びわ湖大津経済新聞)

メリッサさんはパソコンを使い、SNSで会社のイベント情報を発信

 マルティニーク島は人口約40万人。北のドミニカ国、南のセントルシアに挟まれたカリブ海に浮かぶ西インド諸島の島。面積は1100平方キロメートルで、淡路島(592平方キロメートル)の倍ほどの広さ。ラム酒製造やバナナ、パイナップルなどの農業と観光業が経済の中心となっている。

 同島と日本をつなぐ活動を始めたのが、大津市に住むレジナ・フランソワさん。1998年に京都外国語大学に留学生として来日し、同島の知名度の低さに直面するとともに、日本文化に触れ「おもてなし」精神に感銘を受けたという。「島を日本でもっと知ってほしい。そして、日本から学ぶことがたくさんある」と思ったレジナさんは1999年、京都で「日本・マルティニーク友好協会」を設立。学生の研修プログラムを通じた日本との交流を目指して活動を始めたが、「日本で学ぶことの意味」についてなかなか理解が得られず、実現まで14年を費やした。

 念願かなって2013年、初めての研修生1人を日本に受け入れ、その後、京都・滋賀で2016年までに15人の研修生を来日させた。2015年には、さらなる交流の活性化を目指して一般社団法人「J imagine」を立ち上げ。2017年度も9人の学生が、5月21日から約3カ月間の就業体験を行っている。

 研修生の一人、メリッサ・ヴェリンさんは滋賀BMW(大津市富士見台)で研修に励む。「日本の人々はチームで一緒に働き、お互いに助け合っていて素晴らしい。研修の経験を生かして将来はイベント企画やアート関連の仕事をしたい」と夢を話す。村田自動車工業所(大津市朝日が丘)で自動車整備の研修に取り組むのはガンガペルサッド・ビジャイさん。「日本では自動車整備に取り組む流れが効率的。学ぶことがたくさんある。仕事以外の日本の素晴らしいこともたくさん知れる」と笑顔を見せる。スワン・バトルさんは、「J imagine」(京都市)でマーケティング業務の研修に取り組む。「日本では社長と従業員のコミュニケーションがよく距離も近い」と日本の職場の印象を話す。「ウェブマーケティングを学び、将来起業したい」とも。

 レジナさんは「島とフランス本土との格差はまだまだ大きい。島の若者にチャンスを与えたい。日本人は、海を渡るとすると『船はくれない』が『船の作り方を教えてくれる』存在。希望と未来を与える研修になるよう受け入れ先の輪を広げ、もっといい研修にしていきたい」と今後の抱負を話す。

 昨年度より受け入れを始め、今年も2人を受け入れる滋賀BMW村田社長は「レジナさんの思いに共感して受け入れを始めた。インターン生が来るようになり会社の雰囲気も変わった。言葉が通じなくても身ぶり手ぶりでコミュニケーションし、笑顔が増え、社内の活性化にもなっている」と受け入れの効果を話す。

 同社団法人では現在、来年度の受け入れ企業を募集している。受け入れに際しては同社団法人が支援し、研修実施中も個別に企業を定期訪問しサポートを行うという。

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