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ソニーが29年ぶりレコード生産 「アナログ音」復活の兆し

7/12(水) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME=東京都千代田区)は、アナログレコードの生産を29年ぶりに再開する。1969年から89年までレコードを生産していた静岡の子会社工場で、今年度中の受注、生産を目指すという。すでにレコードのモトになるマスターに溝を掘るカッティングマシンなど機械もそろいつつある。

 中古レコードは辛うじて街で目にするが、新規製造のために工場立ち上げとは、ちょっとピンとこない。

「欧米で起きているレコードブームが、若者を中心に日本にも波及しつつあります」(SME広報担当)

 日本レコード協会によると、アナログレコードの生産量は85年に1億2400万枚あったが、09年は10万枚まで落ち込んだ。ところが、近年は盛り返し、13年以降は右肩上がり。昨年は約80万枚まで増えた。

「これまでは昔に聴いたレコードを懐かしむ40代以上が買っていました。最近、急増しているのが若者。デジタルとは違う音として捉えている。切れ味はないが、包み込むような温かい音です。また、レコードをセットして、針を置く“作業”も楽しんでいるようです」(日本レコード協会広報担当)

 アナログレコードの生産ははたしてビジネスとして継続していくのか。多少増えたといっても、80年代のように人口に匹敵するような枚数の需要があるわけではない。

「レコードの販売価格はまだ決まっていません。製造コストがどうなるかもありますが、CDなどほかの価格とのバランスもある」(SME広報)という。

 経済ジャーナリストの井上学氏が言う。

「CDを意識する必要はありません。CDはデジタルなので、簡単に同じ音が複製されます。音はクリアだが、そこが面白みがない。レコードはアナログでコピーされにくいうえ、針との相性もあり、ノイズもある。同じ曲のレコードであっても、いろいろな音になるわけです。ある種ライブのような楽しみ方でしょうか。CDの置き換えではなく、まったく違うものとして、多少高くても売れると思います」

 家電量販店をのぞくと、レコード再生機が1万円で売られていた。リビングに置いてみるか。