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家庭でゲームオーケーの子どもの方が勉強への集中力が高く、宿題も計画的で自主的――“子どもとゲーム”実態調査

7/12(水) 18:53配信

ファミ通.com

●小学1年生~6年生の男女457人に調査
 “朝日小学生新聞”を発行する朝日学生新聞社は、朝日小学生新聞の読者を対象に家庭で遊ぶゲームについてのアンケート調査を実施。その結果を発表した。

 以下、リリースより。

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 「朝日小学生新聞」(朝小)を発行する朝日学生新聞社(東京都中央区)では、朝小読者を対象に家庭で遊ぶゲームについてのアンケート調査を行い、小学1年生~6年生の男女457人から有効回答を得ました。あわせて、その親にも子どものゲームに関する調査を行いました。その結果、家庭でゲームを楽しむ子どもはゲームを禁止されている子どもに比べて、勉強の集中力が高く、宿題も計画的かつ自主的に取り組む傾向が高いことがわかりました。主な調査結果は以下の通りです。

今どきの小学生、ゲームはだらだらやるのではなくルールを決めて楽しむ子が9割
■小学生の85.1%がゲーム好きで、ゲーム機を持つ子どもの91.9%がゲームに関する家庭内ルールがある。主なルールは、「宿題や勉強を済ませてから遊ぶ」「ゲームをしていい時間が決まっている」「夜遅くにゲームをしてはいけない」など。

■1日のゲーム時間は平均50.6分。

ゲームOKの子どもは、ゲームを勉強に役立て、効率よく学ぶ傾向がある
■親も子も認める成績優秀な朝小読者。ゲームだけでなく勉強も好き(81.4%)。勉強時間はゲーム禁止の子の方がやや長い(OK82.3分、NG89.0分)が、成績の良さは変わらない(OK94.4%、NG93.3%)。

■ゲームOKの子の55.0%はゲームが勉強に役立った経験あり。最も多かったのは「知識が身についた」(56.7%)で、親がゲーム好きだと60.8%に上昇。親と一緒にゲームをする子は、成績のいい子が多い。

ゲームOKの子どもの方が勉強の集中力が高く、宿題も計画的かつ自主的に取り組む
■ゲームOKの子はゲームNGの子より勉強時の集中力が高い(OK81.0%、NG73.3%)。

■ゲームOKの子は宿題を計画的に(OK70.5%、NG60.0%)、自主的に(OK75.9%、NG46.7%)取り組む傾向がある。

ゲームOKの子どもは社会性が高く、コミュニケーション能力も高い
■ゲームOKの子はルールを守れる性格(OK88.7%、NG73.3%)、家族との会話時間も長い(OK90.5分、NG62.5分)。

<調査概要>
・実施時期:2017年6月15日(木)~6月22日(木) 
・調査手法:インターネット調査
・調査対象:全国の「朝日小学生新聞」読者の小学1年生~6年生の男女457人、およびその親457人

●小学生の家庭におけるゲーム遊びの実態
小学生はゲームが大好き。9割の家庭で何らかのルールを決めてゲームを楽しんでいる。ゲームをするのは1日平均50.6分。
 まず、小学生全員(457人)にゲームが好きかどうか聞くと、「好き」(55.8%)、「まあ好き」(29.3%)と合わせて85.1%がゲームが好きと答えています[グラフ1]。

 では、子どもたちは好きなゲームをどのように楽しんでいるのでしょうか。ゲーム機を持っていると答えた小学生370人に家庭でのゲームのルールを聞くと、「ゲームで遊んでいいが、ルールや決まりがある」(91.9%)が9割と多く、何らかのルールを決めてゲームを遊んでいる家庭がほとんどです[グラフ2]。

 具体的なルールの内容を子どもに聞くと、「ゲームをする前に、宿題や勉強をすませないといけない」(67.9%)、「1ヶ月または1週間や1日に何時間までゲームをしてもいいか決められている」(56.8%)、「夜遅くにゲームをしてはいけない」(49.1%)などが多くあげられました[グラフ3]。

 家庭でゲームを遊んでいいと答えた子どもに1週間にゲームをする日数を聞くと、「週に1~2日」(29.7%)、「(週に1~2日より)もっと少ない」(27.5%)が多く、「毎日」(15.3%)ゲームをする子どもはそれほど多くありません[グラフ4]。1日のゲーム時間は「30分以下」(45.3%)が最多で、次いで「30分~1時間未満」(30.9%)となり、平均すると1日50.6分でした[グラフ5]。

●ゲームと成績
朝小読者はゲームも好きだが勉強も好き。成績はいい方と自信を持ち、親も認めている。ゲームNGの子どもの方が1日の勉強時間はやや長めだが、成績はゲームOKでもNGでも差はない。
 続いて、ゲームと勉強・成績の関係について見てみます。保護者に、子どもの通知表をもとに、直近の成績を科目ごとに答えてもらった結果が[表1]です。各学科とも「よくできた(◯3つ以上)」が多くなっていますが、「もう少し(◯なし)」も多く、特に「国語」は「よくできた(◯3つ以上)」が62.8%に対し「もう少し(◯なし)」が29.1%、「算数」も「よくできた(◯3つ以上)」が59.5%に対し「もう少し(◯なし)」が29.1%と、二極化しています。

 子どもたちに学校の成績について聞くと、「成績はいいと思う」(47.0%)、「成績はまあまあいいと思う」(47.7%)と答えており、朝小読者の94.7%が成績がいい方だと自信を持って答えています。この成績評価を家庭でのゲームに関するルール別(1p[グラフ1]参照)で見ると、成績がいい割合はゲームOK(94.9%)でもゲームNG(93.3%)でも差はほとんどありません [グラフ6-1]。

 子どもたちに勉強が好きかと聞くと、3人に1人は「好き」(33.3%)と答えており、「まあ好き」(48.1%)を加えると、朝小読者の8割(81.4%)が勉強が好きな子どもたちといえます[グラフ7]。1日の勉強時間を聞くと、1年生で67.5分(n=3のため参考値)、6年生では98.8分となり、平均で81.8分です。ゲームのルール別で見るとゲームOK82.3分、ゲームNG89.0分とゲームNGの子どもの勉強時間の方がやや長くなっています[グラフ8]。

 [グラフ6-1.2]の通り、家庭のゲーム遊びと成績には差がないことから、ゲームOKの子どもの方が効率よく勉強ができているともいえます。

 同様に親にも聞くと、子どもの「成績は良いと思う」(46.2%)、「成績はまあ良いと思う」(47.7%)となり、朝小読者親の93.9%が自分の子どもの成績がいい方だと認識しています。また、親の評価でもゲームOK(93.8%)とゲームNG(93.3%)の間に成績の差はありません [グラフ6-2]。ゲームをするからといって、成績が悪くなる、ということはなさそうです。

●ゲームと子どもの自律心
家庭でゲームOKの子どもとゲームNGの子ども、勉強への集中力はゲームOKの子どもの方が高い。勉強と遊びの切り替えは、特にルールなくゲームができる子の方がうまい。
 もうすぐ夏休みが始まります。長期の休みで子どもの生活習慣の乱れが気になりますが、家庭でゲームOKの子どもとゲームNGの子どもの自律心にはどのような関係があるのか、見てみました。

 まず、勉強への集中力について子どもに聞くと、ゲームOKの子どもの「集中してできる」の回答は81.0%、ゲームNGは73.3%となり、ゲームOKの子どもの方が集中力は高くなっています[グラフ9-1]。

 保護者の意見も同様で、ゲームOKの子どもの集中力は74.8%、ゲームNGは60.0%となり、ゲームOKの子どもの方が集中力は高くなっています[グラフ9-2]。

 次に、子どもに勉強と遊びの切り替えが得意かどうか聞くと、ゲームOKとNGの差はほとんどありません(ゲームOK:60.3%、ゲームNG:60.0%)。しかし、ゲームOKの子どものうち、特にゲームにルールや決まりがない子どもの結果を見ると、84.6%と切り替えが得意という回答が一気に増えています[グラフ10-1]。

 同じ質問を保護者にすると、ゲームOK57.2%、ゲームNG53.3%と、ゲームOKの子どもの方が切り替えがうまいようですが、ルールや決まりがない子どもは69.2%とさらに高くなっています[グラフ10-2]。

 勉強と遊びの切り替えが自主的にできるからこそ、ゲームもルールがなくてもいいのかもしれませんが、勉強と遊びの切り替えにゲームは悪影響をもたらさないことは確かなようです。

●子どもの成長に与えるゲームの影響
子ども自身も親も納得! ゲームOKの子どもは宿題の計画性も自主性も高い。家庭でゲームOKの子どもは、ルールを守れる性格の子どもが多い。
 夏休みなどの宿題について、計画性と自主性について聞きました。宿題を計画的にできると答えた子どもは、ゲームOK:70.5%、ゲームNG:60.0%となり、ゲームOKの子どもの方が計画的に宿題をすると答えていますが[グラフ11-1]、保護者に聞くと、その差はより大きくなり(ゲームOK:62.6%、ゲームNG:40.0%)、ゲームOKの子どもの宿題の計画性は20ポイントも高くなっています[グラフ11-2]。

 宿題の自主性については、ゲームOKの子どもは75.9%が「自分で進める」と答えているのに対し、ゲームNGの子どもは46.7%に留まり、半数以上が「人に頼る」(53.3%)と答えています[グラフ12-1]。保護者も同様の意見で、ゲームOK:71.4%、ゲームNG:66.7%と、ゲームOKの子どもの方が自主的に宿題に取り組む傾向があります[グラフ12-2]。

 また、保護者に子どもはルールが守れる性格かを聞くと、ゲームNGの子どもの73.3%に対し、ゲームOKの子どもでは88.7%[グラフ13]と、ゲームOKの子どもは、宿題に対し計画性をもって自主的に取り組み、ルールを守れる傾向が強いといえます。

家族との関係性 ゲームOKの家庭は家族との会話時間が長く、子どもから相談されることも多い。ゲームOKの家庭は親子の関係性がより良好に。
 ゲームと家族との関係性について見てみました。家族と1日の会話時間を子どもに聞くと、ゲームNGの子どもの会話時間は62.5分に対し、ゲームOKの子どもの会話時間は90.5分と30分近くも長くなっています[グラフ14]。また、保護者に子どもに悩みを相談されるかと聞くと、ゲームNGの子どもの66.7%に対し、ゲームOKの子どもは70.0%となり、子どもから相談される割合もやや高くなっています[グラフ15]。ゲームOKの家庭の方が親子間のコミュニケーションがうまくとれているようです。

●ゲームが子どもの勉強に与える影響
ゲームの効能 子どもにとってゲームは「いろんな知識が身につく」など勉強にも役立つもの。親がゲーム好きで子どもと一緒にゲームを楽しむ環境だと、勉強に役立つ傾向もより高くなる。

 ゲームをしても成績は下がらず、むしろ勉強や宿題の自律心を高めることがわかりましたが、ゲームが勉強に役立ったかを子どもに聞くと、約半数が「ゲームが勉強に役に立つことがあった」(47.5%)と答えています。

 家庭でのゲームのルール別で見ると、ゲームOKの子は55.0%と役に立つ割合が高くなり、保護者がゲーム好きな子どもでは60.8%と一層高くなっています[グラフ16]。

 保護者に子どもと一緒にゲームをするか聞くと、一緒にする家庭は3家族に1家族程度(35.0%)ですが、これを[表1]の子どもの成績別に見ると、成績上位層の子どもの家庭は37.3%、成績下位層では32.9%と、親子でゲームをする家庭の子どもの方が成績が高い傾向があります[グラフ17]。保護者がゲームに肯定的だと、子どもはゲームを勉強に役立て、成績も良くなるのかもしれません。

 [グラフ16]でゲームが勉強に役立つと答えた子ども(217人)に役立った内容を聞くと、「いろんな知識が身についた」(56.7%)が最も多く、「漢字を覚えた」(30.9%)、「集中力が上がった」(18.4%)、「計算問題が早くなった」(15.7%)などがあげられました。これを[表1]の成績別に見ると、履修科目の平均点が高い成績上の子どもでは「集中力が上がった」(26.1%)と答える子が多くなっています[グラフ18]。

 子どもたちに一番得意な科目と好きなゲームのジャンルを聞き、その関係を示したのが[表2]です。「社会」が一番得意と答えた子どもは「RPG」「レース」(同率43.5%)、「アドベンチャー」(39.1%)が好きな子が多く、音楽が一番好きな子は「音楽ゲーム」(21.2%)が好きな子が多くなっています。

●プログラミング教育の第一人者 松田先生に聞く 子どもの自主性とゲームの関係について
 2020年以降、小学校での「プログラミング教育」が必修化されることが決定しています。いち早くプログラミング教育を実践しており、「マインクラフト」などゲームを使った授業にも取り組んでいる、東京都小金井市立前原小学校校長・松田孝先生に、今回の調査結果をふまえ、子どもの自主性とゲームについてお話を伺いました。

苦しみながら“勉強”するのではなく、「楽しく学ぶ」ことが大切。
 “学ぶ”ことは本来楽しいことであり、主体的なものです。通常の授業では5分としてじっとしていられない子が、プログラミング授業だと2時限分90分の授業でも、集中が途切れることなく、キラキラと目を輝かせながらとても楽しそうに参加しています。 この姿こそが、学び本来の姿であり、体験して学ぶことの楽しさを知る、まさにアクティブラーニングだと思います。

 学校とは子どもたちが主体的に学ぶ場のはずですが、今は先生が勉強を教えてくれる場となっています。教えられるだけの 受動的な勉強は、苦しかったりするものですが、主体的に学ぶことは逆に楽しいのです。そういった意味においては、ゲームもプログラミングと同じで、楽しく学ぶツールとして活用できると思います。そのためには、ただ遊ぶだけでなく、ゲームを使ってクリエイトする姿勢が必要で、そこにはプログラミングの知識も役に立ちます。ゲームもプログラミングも創造性を豊かにするもので、子どもたちにとっての学びのツールになるのではないでしょうか。

最低限のルールのなかで、子どもたちが“主体的”に遊び方を決めていくべき。
 今の子どもたちは、生まれたときからゲームやデジタルの中で育っています。ゲームがあるのが当たり前なのですから、無理にシャットアウトするのは良くないと思います。親御さんからすれば、ゲームに依存したり目が悪くなるなどもあり、ゲームから遠ざけようとするのでしょうが、子どもたちはこれから先もゲームやデジタルと関わらない環境に暮らすことはありません。ですから、自然と 触れさせることで、ゲームに対してどう付き合っていくか、自分で判断する主体性を育むことが大切です。そしてそれが、ゲームやデジタルの世界のデメリットに対する唯一の解決方法だと思います。

 とはいえ、子どもにいきなり主体性を持てと言っても理解できないでしょうし、判断力もないので、まずは親御さんがルールを 決めて、ゲームのデメリットについてもきちんと説明してあげるといいですね。そうやってゲームと付き合えば、子どもはデメリットも 理解して、ゲームやデジタルとの付き合い方が判断できるようになると思います。今回の調査で、ゲームをする子の方が宿題を計画的に、そして自主的にできるというのも、子どもが主体性をもっていることの表れかもしれないですね。

ゲームは物事の成り立ちや社会の仕組みを「疑似体験」できる道具。
 調査結果の中で、社会科が一番得意と答えた子どもがRPGなどのゲームが得意という結果が出ていました。これは、ゲームを通じて物事の成り立ちや社会の仕組みなど、ゲームの世界と現実の社会を重ねて見ることで、社会科にも興味をもっているのかもしれません。ゲームが勉強の役に立つという結果もありましたが、具体的な知識だけでなく、ゲームの中での疑似体験からいろいろなことに役に立つ、と実感しているのではないでしょうか。

 せっかくの夏休み、ゲームを頭ごなしに禁止するのではなく、ゲームと主体的に付き合う機会としてみてはいかがでしょうか。

松田孝(まつだ・たかし)先生 東京都小金井市立前原小学校 校長
東京学芸大学教育学部卒、上越教育大学大学院修士課程修了。東京都公立小学校教諭、指導主事、主任指導主事(指導室長)を経て、多摩市立東愛宕小学校(現、愛和小学校)に赴任、2016年4月からは小金井市立前原小学校校長。100年以上変わらない公立小学校の在り方に危機感を抱き、タブレット他マルチデバイスなどの活用を活かした、初等公教育のリデザインを実践する。

最終更新:7/12(水) 18:53
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