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金利差拡大、円安を後押し=4カ月ぶり114円台半ばに

7/12(水) 9:00配信

時事通信

 外国為替市場で円安が加速している。好景気を受けて金融緩和の出口模索や利上げを進める欧米と、物価低迷が続く日本との金利差拡大を意識した動きで、11日の東京市場では対ドルの円相場が一時1ドル=114円半ばと約4カ月ぶりの安値水準に下落。今後も金利が高い米国に資金が流れ、円はさらに120円を試すとの見方も出始めた。円安で輸出企業などの業績改善が進めば、日本経済全体の追い風にもなりそうだ。

 欧州では6月下旬以降、欧州中央銀行(ECB)が金融緩和縮小に動くとの思惑からドイツなどで長期金利が上昇。米国でも先週末に発表された6月の雇用統計の好調などを受け、長期金利の指標である米国債利回りが約2カ月ぶりの高水準となった。

 一方、日本では消費者物価上昇率が0%台前半にとどまるなどデフレ脱却が見通せず、国債の大量購入などで長短金利を低く抑える日銀の大規模金融緩和は当面続く見通しだ。日銀は景気下支えのため長期金利を0%程度に誘導する方針で、7日には欧米に連動した市場金利上昇を受け、特定利回りで10年債を無制限に買い入れる「指し値オペ」を実施、「金利を上げない強い意志」(ニッセイ基礎研究所・矢嶋康次氏)を内外に示した。

 大規模緩和を続ける日本と、年内の追加利上げを視野に入れる米国などとの金利差は拡大が続く見通し。みずほ証券投資情報部の鈴木健吾氏は「円の独歩安となり、年末にかけて1ドル=118~120円になる」と予測。株価上昇につながる円安は安倍政権の日銀に対する圧力を弱める効果もあり、「まさに神風」(国内証券エコノミスト)との指摘もある。

 ただ、こうした追い風が続くかどうかは不透明だ。市場では、トランプ米政権の保護主義圧力が強まれば、先行き懸念からリスク回避の円買いが進み「円高に逆回転する」との声も聞かれる。 

最終更新:7/12(水) 10:28
時事通信