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低迷ヤクルトで光るバレンティンの成長 仲間との結束強める

7/12(水) 11:01配信

デイリースポーツ

 意外な姿が目についた。8日のヤクルト-広島(神宮)。七回、7点を追うヤクルト側のベンチで、バレンティンが身を乗り出して仲間に声援を送っていた。チームは6連敗中。この日も敗色濃厚な展開だったが、最後までファイティングポーズを崩さなかった。

 プレーにむらがあり、“問題児”というイメージが先行しがちな助っ人。ただ、故障者が続出して低迷するヤクルトで、バレンティンの存在はこれまで以上に大きくなっている。「チームでは年齢が上の方になったから。勝つために、自分が引っ張らなければいけないという気持ちでやっている」。

 来日7年目の32歳。今季、交流戦の期間中に真中監督から声をかけられた。「みんなが見ている。若手の見本になるような選手になってほしい」。その期待に応えるように、精神面で成長を遂げつつある。

 9日の広島戦では二回1死一、二塁で安部の浅い左飛を猛ダッシュで前進して好捕した。10日の巨人戦(東京ドーム)では1点を追う九回1死で打席に立ち、右中間を破る一打を放つと果敢な走塁で二塁を奪った。いずれも連敗ストップにはつながらなかったが、攻守で全力プレーを貫いている。

 チーム内での見方も変わってきている。宮出打撃コーチは「基本的には子どもみたいな性格。ただ以前に比べると、自分だけ良ければいいというような姿勢はなくなってきている」と言う。バレンティンを入団時から知る近藤通訳も「15年に優勝した時は、けがで離脱期間が長かった。主力としてもう一度優勝したいという思いがあるようです。選手との距離も近くなり、ほとんど日本人と変わらない。居心地がいいみたいです」。坂口や大引らとは通訳抜きで食事に行くこともあり、仲間との結束も強くなっている。

 主力が次々に離脱し戦力的に厳しい状況でも、ファンからは容赦ない罵声が飛ぶことも増えてきた。ただ、一つ一つのプレーやベンチでの姿を見ると、「何とかしたい」という各選手の思いは痛いほどに伝わってくる。その先頭に、バレンティンが立っている。(デイリースポーツ・佐藤啓)

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